彼は いつから私の彼氏?
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第6章
6-1
駅で集合したのだけど、私はチェックのジャンパーワンピースにカンカン帽だけど、智子はピタッとした短パンに赤いTシャツとツバの長いキャップ姿だった。
「なんやの 智子 バツバツに頭 短こーして その恰好 男の子ヤン でも 智子はスタイルええなぁー 脚長ぁー 羨ましー」
「そーやでー うちは男やねん 知らんかったぁ?」
「もぉーぅ やめてぇーなー」
「うふっ 水澄が来てくれて うれしいわー 楽しもうな!」
勿論、私も楽しみなんだけど、お母さんから1泊だけと言われていて、帰って来て、次の日には白浜に行くという予定なのだ。
去年と同じように、福井でソースカツ丼を食べて、三国港にー 降りると久々の海の匂いに釣られて、私は走り回っていた。
「ほらぁー 水澄 また 転ぶぞー」と、翔琉は去年のことを覚えていたみたい。そして、ビーチを横眼に歩いて、去年のお家に着いて
「おぉー 水澄ちゃんだったよね 元気そうだなー 今年は、もう一人お嬢さんも一緒 なんだわなー」と、おばぁさんが迎えてくれた。私と智子は持たされた菓子箱を出して
「おばぁちゃん 今年も 美味しいお魚 楽しみにしてきました」
「うん うん ちゃんと用意しちょるがなー ラッキョーもな」
私達は早速 着替えて海に向かったのだが
「水澄 ウチ 海は初めてなんやー 恐い?」
「そんなことないよー 私も 去年 初めてやったんけどー 波も静かで 普通に泳げたよ」
と、私と智子は浮き輪を使って泳いでいたけど、お兄ちゃん達が翔琉と十蔵を連れて、岩場のほうに行ってしまったのだ。
「水澄 卒業の時から成長してへんなぁー 逆にへこんだんちゃうかー?」
「うぅ 何の話やぁー?」
「その 胸 小学生のままやんかー」
「ほっといてー 私の胸やんかー 誰に見せるわけでもないから ええねん」と、言いつつ 確かに智子はプルンとはっきりわかるようになってきていた。
「翔琉にもかぁー?」
「あのなぁー 私等・・・」
「あっ あっ 怪しい! 水澄 正直やからー バレバレやー」
「・・・あのなー 卒業の後・・・ほんでも それだけやでー なんも あれっ してへんでー 見せただけ 二人だけの秘密やねんー 智子やから ゆうけど・・・」
「やっぱり そーかぁー おばさんも、それで心配してたんやー 母親の直感なんやろなー でも 今回はそれ以上はあかんでー ウチも約束したんやからー 4人で行動しますって 今回はあかん! ごめんな 水澄 ウチも翔琉とのこと応援してるでー そやけど、今回は我慢してなっ 帰ったら、水澄達がどうしようが勝手やけど お互い好き同士なんやもんなー」
「うん わかってる 智子が迷ってるのってー でも、智子のほうが大切やー 私も・・・」
お兄ちゃん達が戻って来て、みんなでビーチボールで遊んだのだけど、智子はわざとか知れないけど、私と翔琉が触れ合うのを邪魔しているような気がしていた。
泳いで帰ってきた後は、私と智子が先にお風呂に入ったのだけど
「なんやのー 智子 私のおっぱい そんなに 見つめやんとってーなー」
「ふっ 可愛いなーって思って ウチの手の平でも丁度包めそーや」
「やめてよー そんな趣味ございません!」
「あっ そうかぁー 翔琉のもんやったなあー」
「だからぁー ちゃうってぇー 智子みたいに大きぃー無いモン」
夕食には、やっぱりお魚と貝にイカのお刺身に加えて、私の知らない魚の煮つけとかが並んでいた。珍しいので私と智子は生のラッキョに味噌をつけて、競って食べていた。
「お前等 女がそんなに 精つけてどうすんねん」と、十蔵が
「なんやの? その精つけるって?」
「そやから ニンニクとかラッキヨは精がつくねん 押さえられんよーなったら 俺が面倒みたろか?」
「あほっ 十蔵にウチを満足させられるんかぁー?」と、智子も威勢が良かった。
「うぅー 智子は 激しいのぉー」
「そしたら 俺が面倒みよーか?」
「硝磨先輩 そんなこと言い出すなんてー 思わなかった! それっ セクハラちやいます?」
「あっ 智子 女やったんか?」
「わぁー もっと セクハラやん」
夕食の後は、みんなで一緒に突堤まで散歩に出掛けたのだけど、今回は翔琉とは皆に見えないところで手を繋ぐのがやっとで、他に何にもなかったのだ。
だけど、お兄ちゃんも、しきりに二人の間に入って来るような気がしていた。気のせいなんだろうかー・・・。次の日の朝も海に入ったのだけど、やっぱり、私と翔琉が触れ合うのを避けさせようとしているみたいだった。意識的にそんな風にしているのかと、私はイラついていたのだ。
「なぁ 何か わざと 私と翔琉の間に、入って 触れさせんよーしてへんだぁ?」さっき、駅で翔琉とは さよならをしたのだけど、私は また しばらく会えないのかと、なんか 涙目になっていたみたい。だから、帰り道に聞いてみたのだ。それでも、お兄ちゃんと手を繋いで歩いていたのだけど…
「えーぇっ そんなことないよ 普通やー」
「ふ~ん わかった! あのなー お兄ちゃんの洗濯物 ちゃんとたたまんかったり、お弁当の卵焼き減らしたりしたからー 意地悪してるんやろー」
「あほかー 俺はそんな 細かいこと気にするかー 水澄のお兄ちゃんやでー そんなこと考えてたのか?」
「だって 私のお兄ちゃんやから 余計やー 心配するヤン 何かあったんかなって」
「アホッ 何もないよー 水澄は何があっても 俺の妹には違い無いんだからな」
「へっ 何を急に・・・ お兄ちゃん 変! おかしい」
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