八条学園騒動記
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第七百七十四話 苺風呂その五
「岩場になってるのがね」
「普通よね」
「そうだしね」
「ここだってそうだしね」
「そう、逆に岩場で」
「温泉風じゃない方が」
「せめて湯舟が木でないと」
そうでなければというのだ。
「違うわね」
「そうよね、日本は」
「お国柄の違いね」
「お風呂でもね、というかね」
アンネットはこうしたことも言った。
「日本とロシアってね」
「どうしたの?」
「何かと違うところがあるわね」
こう言うのだった。
「水と油位に」
「そう言われると」
彰子も否定せずに答えた。
「多いかも知れないわ」
「そうした部分がね」
「ええ」
実際にというのだ。
「何でもね」
「そのこともあってか」
アンネットは彰子にさらに話した。
「日本とロシアって結構揉めるわね」
「ライバル関係にあるって言われるわね」
「よくね」
「連合の中でもね」
「それはね」
「時々協力し合うけれどね」
これは国益次第だ、ライバル関係にあっても国益になるのなら協力し合うというのが国際政治であるのだ。
「それでもね」
「基本ライバルよね」
「そう言われるわね」
彰子も否定しなかった。
「確かに」
「そうよね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「お風呂だってね」
「色々違うわね」
「そうなってるわね」
「どうもね」
アンネットも頷いた、だがここで彰子にこんなことを言った。
「けれどいいと思うわ、日本のお風呂」
「気に入ってくれた?」
「前からね」
笑顔で言うのだった。
「そうだったわ」
「そうなのね」
「湯舟の方もね、確かに私ロシア人でね」
そうであってというのだ。
「サウナ派だけれど」
「それでもなのね」
「湯舟も好きになったわ」
「そうなったのね」
「そうなの、ずっと日本にいたい位よ」
「そこまで好きになったの」
「お風呂上がりの日本酒も」
酒の話もした。
「いいしね」
「日本酒ね」
「お米で造ったお酒もね」
ここで使われる米はジャポニカ米が普通である、同じ米でもジャポニカ米とインディカ米では酒の味も違ってくるのだ。
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