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神々の塔

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第八十七話 釈迦如来その十二

「勝てる、そして」
「勝ったら」
「私達はまた一つ試練を乗り越えた」
「そうなるね」
「試練を乗り越えた分だけ」
 シェリルは笑って話した。
「大きくなるんや」
「そやね」
「何の努力もせんで」
「試練を乗り越えへんとね」
「人は成長せんが」
「努力して試練を乗り越えていけば」
「それだけや」
 乗り越えた分だけというのだ。
「成長するわ」
「そやね」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「今のお釈迦さんとの戦も」
「勝つんやね」
「お釈迦さんの術は跳ね返して」
 そうしてというのだ。
「お釈迦さん自身にかける術はな」
「それも反射させて」
「私等にかかってな」
「回復して強うなる様にする」
「そや、そうしてくで」
「そしてうち等も戦う」 
 綾乃は普段通り八岐大蛇に乗っている、そうしてこの神具の八つの頭に自在に攻撃をさせていて自身も術を用いている。
「そうしてくね」
「このままな」
「ほなね」
「皆で戦っていこうな」
「力を合わせて」
 綾乃はシェリルに笑顔で応えた、そうしてだった。
 釈迦如来と戦っていった、そのうえで。
 綾乃が放った流星が釈迦如来を撃った時に神霊は微笑んで言った。
「お見事です」
「これで、ですか」
「私の負けです」
 微笑んだまま言ったのだった。
「そうなりました」
「そうなんですね」
「はい、上の階に行かれて下さい」
「わかりました」 
「私はこれより仏界に戻ります」
 釈迦如来は微笑みこうも言った。
「そしてあらためてです」
「修行をされますか」
「そうします、そして」
 そのうえでというのだ。
「この世をです」
「救われますね」
「その時が来れば」
「その為の修行ですね」
「弥勒菩薩と同じです」
 この仏と、というのだ。
「私はまだまだ未熟」
「お釈迦さんでもですか」
「はい、まだまだです」
 到底というのだ。
「ですから何十億年と修行し」
「ご自身を高められて」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「あらゆる世のあらゆる命をです」
「救われますか」
「そうします、そして今は」
 この世界を襲う危機はというのだ。 
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