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新オズのかかし

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第六幕その五

「政治を志しているのなら」
「選挙だって受け入れるよ」
「例え敗れてもね」
「そして反省して問題点を見付けて」
「政策や選挙での行動を改善して」
「また挑みます、そうします」 
 ジャーヴィスさんは毅然として言いました。
「必ず」
「うん、そうしないでね」
「暴力まで煽るとなるとね」
「絶対におかしいからね」
「そんなことをする人をまともと思わないことだよ」
「もうどんなことでもするよ」
 かかしは強い声で言いました。
「僕が知ってる限りそんなことをする人は」
「どなたかご存知ですか?」
「かつてのラゲドー氏位だよ」
 こうジュディに答えました。
「選挙に負けても結果を受け入れないでね」
「不正だと吹聴してですね」
「平気で大嘘を言って人を扇動して」
「暴力に訴えて」
「そして覆そうとするなんてね」
 それでというのです。
「本当にね」
「その人だけですね」
「そんなことをする人は最悪の人で」
「かつてのあの人だけですか」
「僕の知る限りね、他にはね」
 それこそというのです。
「知らないよ」
「そんなことをする人は恐ろしいまでの恥知らずだよ」
 樵は言い切りました。
「嘘を吐くことに全く抵抗がなくて」
「人を騙して利用してもね」
「何も良心が痛まない」
「そして暴力も辞さない」
「もうどんな悪事も訴えられて有罪となってもね」
 そうなってもというのです。
「それも不正と吹聴する」
「もうどうにもならないね」
「悪人も悪人で」
「どうにもならないよ」
「そんな悪人がいたら」
 ドロシーもそのお話を聞いて言いました。
「本当に以前のラゲドー氏みたいね」
「そうだね」
 かかしはドロシーにも応えました。
「もう考えられる限りのだよ」
「最悪の人ね」
「こんな人を間違っても信じたらいけないし」
「許してもいけないわね」
「例え何があっても反省もしないよ」
「自分だけの人で」
「他の人への配慮もね」
 それもというのです。
「一切だよ、勿論品性とかもね」
「ないわね」
「例えどれだけ持ち上げられても」
 その人にです。
「信じたらいけないし許してもね」
「いけないわね」
「オズの国には出ないけれど」
「悪人だからね」
「そう、オズの国は悪人はいないしね」
「入られないし」
「そうした国だからいないけれど」
 それでもというのだ。 
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