イントロダクション
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第二章
静香はスマートフォンで検索してその曲を聴いた、すると。
「うわ、本当にね」
「イントロ長いでしょ」
「もう充分ね」
既に三十秒以上聴いているがだ。
「長いけれど」
「それでもよ」
「まだまだ続くのね」
「そうよ」
育美もその曲、静香のスマートフォンから流れるそれを聴きつつ言った。
「十分以上ね」
「何かね」
静香は聴きつつ言った。
「クラシックみたいよ」
「音楽だけだから」
「歌ないからね」
「オーケストラとかの演奏ね」
「それみたいよ、十分以上歌わないなんて」
それはというと。
「ロックやポップスだとね」
「ないわよね」
「何でもジャズだと」
このジャンルの音楽ならというのだ。
「サックスの演奏だけでね」
「一曲やったりするわね」
「それでも長くて五分でしょ」
それだけだというのだ。
「全体でね」
「一曲でね」
「こんなイントロだけでね」
「十分以上なんて」
「ないわよ、これで歌あるのよね」
「歌は間奏と最後の演奏入れて四分よ」
「イントロよりずっと短いわね」
静香はそれぞれの椅子に座って向かい合って座っている育美に話した、二人の間に机はなく素で向かい合っている。
「本当に」
「そうでしょ」
「まだイントロ続いてるし、時間に余裕がないと」
さもないと、というのだ。
「全曲聴くなんてね」
「出来ないわね」
「ええ、軽く聴くのは」
それはというと。
「ちょっとね」
「出来ない曲よ」
育美もそうだと答えた。
「本当に」
「そうよね、けれど」
静香は育美の言葉に頷きつつ言った。
「いい曲ね」
「そうでしょ」
「本当にクラシックの歌わないね」
「そうした曲ね」
「そう、イントロは確かに長いけれど」
「いい曲だから」
「話題になっているのよ」
そうだというのだ。
「この曲はね」
「そうよね、視聴数見たら」
ユーチューブのそれをだ。
「凄いわね」
「二百万だからね」
「あげて一月でね」
「ただ長いだけじゃなくてね」
イントロがというのだ。
「それ自体がね」
「いいからなのね」
「話題なのよ、それでね」
育美はさらに言った。
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