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八条学園騒動記

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第七百七十三話 サウナその三

「身体の中の悪いものも出せるから」
「だからね」
「まずはサウナね」
「それで他のお風呂にね」
 サウナの後でというのだ。
「入りましょう」
「それじゃあね」
 こう話してだった。
 二人でサウナに入った、サウナ室は広く何段にもなっていてその段がそのまま席になっている。タオルが敷かれているそこに座ろうとすると。
 二人は座ろうとした傍にアンネットがいることに気付いた、するとアンネットの方から二人に言ってきた。
「あんた達も来てたの」
「いや、ここに来る前にね」
 アロアはアンネットを見て彼女に言葉を返した。
「あんたがいるかもってナンとベッカと飲んだ時にお話してたのよ」
「そうだったの」
「正確に言えば飲んだあとお風呂に入った時にね」
 その時にというのだ。
「そうしたお話してたのよ」
「そうだったのね」
「それでね」 
 さらに言うのだった。
「まさかね」
「私がいたなんて」
「いや、まさかだったわ」
 アロアはまたまさかと言った。
「本当に」
「そうだったのね」
「いや、奇遇ね」
「そうね、噂をしたら実際にいたなんてね」
「世の中わからないわね」
「不思議なことで一杯ね」
「本当にね、ただね」
 こうもだ、アロアは言った。
「これも縁だし今二人だけれど」
「そこに私も入って」
「三人になる?」
 こうアンネットに提案した。
「どうかしら」
「三人の方が賑やかで楽しいわね」
 アンネットはにこりと笑って応えた。
「確かに」
「そうよね」
「じゃあ私も入れてくれるかしら」
「是非ね」
「私もね」
 彰子も微笑んでだ、アンネットに言った。
「三人の方がいいわ」
「そうなのね」
 アロアは彰子に顔を向けて応えた。
「じゃあ三人一緒ね」
「そうね、それじゃあね」
「今からね」
「三人で入りましょう」
「お風呂にね」
 こう話してだった。
 実際に三人でサウナの中に並んで座った、座っているとそれだけで徐々に汗が出て来た。アロアはその中でアンネットに尋ねた。
「あんた何時から入ってたの?」
「あんた達が来る三十秒位前にね」
 自分の隣にいるアロアに答えた。
「入ったのよ」
「入ったばかりだったのね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「入って少ししたらね」
「私達が来たのね」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「そうだったのよ」
「成程ね」
「それで今徐々によ」
 アンネットは微笑んでこうも言った。 
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