マゾの先輩
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第二章
「こうした趣味もあることはご存知ですね」
「うん」
柳本も否定しなかった。
「僕もね」
「先輩はこうした趣味がおありと感じましたので」
「紹介してくれたんだ」
「違うでしょうか」
「こうしたお店来たことないから」
柳本は店の雰囲気に戸惑いつつも真面目に答えた。
「だからね」
「ご趣味ではないですか」
「どうなのかな」
「初回は無料なので」
木下はまたこのことを話した。
「如何でしょうか」
「無料なら」
「見学だけでも」
「それじゃあ」
見学だけならとだ、柳本は頷いてパーティーに参加した。だが気付くと。
何時の間にか黒いボンテージと下着、ガーターストッキングとハイヒール姿の木下にトランクス一枚で鞭で叩かれていた、そうして踏みつけられながら言われた。
「さあ先輩気持ちいいですか?」
「何かいいかも」
「先輩はマゾと思いましたが」
「そうなのかもね」
「私はサドなので」
「お互いになんだ」
「楽しみましょう」
実に楽し気な笑みで言ってだった。
柳本は木下とプレイを楽しんだ、そして。
正式に会員となり二人で定期的に店に行ってパーティーに参加した。そこから二人は交際することにもなったが。
時には柳本がサドになることもあった、それで言うのだった。
「いや、こうした趣味もね」
「面白いですね」
「安全第一で楽しめばね」
そうであるならというのだ。
「性癖に合えばね」
「いいものですね」
「そうだね、それじゃあ」
「はい、これからも」
「一緒に行こう。会員費も安いし」
このこともあってというのだ。
「銀座にあるとは思えないし」
「実はとある資産家が趣味で経営されていまして」
「ああ、だから安いんだね」
「こうしたことは趣味の一つなので」
それでというのだ。
「そうしたお店もあります」
「そうなんだね」
「ではまた」
「うん、またね」
「一緒に行こう」
「そうしましょう」
木下は笑顔で応えた、そうしてだった。
二人で楽しんでいきやがて二人は結婚した。すると家出も店でもそうした趣味を楽しむ様になったのだった。
マゾの先輩 完
2024・10・22
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