もう建て替えろ
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第二章
「それでな」
「建て替えるの」
「そうするの」
「そうしないとな」
さもないと、というのだ。
「駄目なんだ、だからな」
「建て替えるの」
「そうするの」
「それに地震がきたときにね」
母は災害の話をした。
「新しいお家の方が丈夫だから」
「壊れないの」
「そうなの」
「だからね」
それでというのだ。
「建て替えるの。そこはわかってね」
「そうなんだ」
「古くなって地震にもなるから」
「そうなのよ」
こう子供達に話した、そしてだった。
建て替えを進めその結果。
新しい家が建った。するとだった。
子供達はその家がすぐに気に入って毎日楽しく暮らす様になった、そして夫婦もこう話すのだった。
「やっぱりな」
「ええ、五十年にもなるとね」
「どんな家もガタがくるしな」
「それにね」
「災害があったら」
「古い家は耐震とかも弱いしな」
技術的な問題でだ。
「うちも仕事でそれ注意してるしな」
「不動産だからね」
「そう考えるとな」
「そう、どんないいお家も」
「古いと建て替える」
「今度のお家はもっといいお家になる様に」
その様にというのだ。
「するのよ」
「そういうものだな」
「ええ、そうして暮らしていくのよ」
「家も建て替える」
「そうするんだ」
こう言うのだった、そうしてだった。
一家で新しい家で幸せに暮らした、その家はとても快適であり満足するものだった。かつての家よりも。
もう建て替えろ 完
2024・10・19
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