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姪は美形

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第三章

「お母さんもね」
「あっちの親御さん達もな」
「叔父さんも叔母さんもか」
「もうな」
「そうなのかよ」
「だからな」
 それでというのだ。
「もう言わないさ」
「そうなんだな」
「ああ、ただな」
 夕食を食べているがそのカレーを食べつつ言った。
「従姉弟同士ならな」
「いいよな」
「別にな、ただな」
「ただ?」
「あまり血が濃くなることはな」 
 それはというのだ。
「あまりな」
「しないことか」
「ああ、まだ従姉弟同士ならいいか」
 その間柄ならというのだ。
「それも一代だけだとな」
「いいか」
「しかしな」  
 それでもというのだった。
「代々叔父と姪とかな」
「そういうのは駄目か」
「歴史を勉強すればわかる」
 まだ中学生の息子に話した。
「そのことはな」
「勉強したらか」
「ああ、そこは気を付けろよ」
「じゃあ勉強するな」
 それなりに成績のいい息子はこう答えた。
「それならな」
「ああ、それじゃあな」
「何か知らないけれどわかったよ」
 父に答えた、そして。
 息子は勉強してだった、父に言った。
「スペインも大変だったんだな」
「王様の家はな」
「最後の王様壮絶だったな」
「カルロス二世な」
「あれはやっぱりな」
「だから気を付けろよ」
「よくわかったよ」 
 父の言葉に頷いた、そうしてだった。
 明奈と付き合っていった、だが明奈が海外留学に行くとそれで疎遠になって終わった。それからは血縁者とは付き合わず何もなくなったのだった。
 明奈は女子プロレスラーになった、美人のそれで評判になった。だが孝雄にとっては美人だなと思うだけだった。姪であったので。


姪は美形   完


                  2024・10・19 
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