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姪は美形

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第一章

                姪は美形
「これはね」
「ああ、絶対にな」
「将来凄い美人になるわ」
 こんな話をだ、公務員の早見孝雄穏やかな面長の顔で長身で黒髪を短くしている彼と同じ職場で働いている光顎が尖っていて切れ長の目と黒く細長い髪の毛と茶色がかったロングヘアで小柄ですらりとしたスタイルの彼女は自分達の娘の明奈を見て言った。
 まだ四歳だがきらきらとした黒い大きな二重の目と小さな紅の唇に雪の様な肌と輝く長い黒髪を以ていいる。白い歯が眩しい彼女を見て話すのだった。
「絶対にね」
「ああ、僕達からこんな娘が生まれるなんて」
「私達のそれぞれいいところ受け継いだのかしら」
「そうだな」
「嬉しいわね」
「ああ、こんなに奇麗でな」
 こう言うのだった、だが。
 その明奈を見てだ、光の弟でスーパーの店員をしている工藤五郎姉そっくりの顔で茶色の髪を右で分けている大柄な彼は言った。
「美人になるならいいね」
「素っ気ないわね、あんた」
「だって付き合う訳じゃないし」
 こう姉に言った。
「別にね」
「自分の姪とはつきあわないわね」
「普通はね」
「ハプスブルク家じゃないし」
 光はこうも言った。
「スペインの方のね」
「ああ、もう絶えてるけれど」
「そうした結婚繰り返したのよ」
「そうだったね」
「それでね」
 光は深刻な顔で述べた。
「血が濃くなり過ぎて」
「大変なことになったね」
「そうよ」
 その通りだというのだ。
「これがね」
「そうだったね」
「だから叔父と姪ならね」
「付き合わない方がいいね」
「そもそもね、それにね」
 光はさらに言った。
「あんたは二十五で」
「明奈ちゃん四つだよ」
「あんた幼女趣味ないし」
「ないよ、全くね」
「興味ないのね」
「可愛いと思うけれど」
「それだけね」
「僕彼女いるしね」
 五郎は自分のことも話した。
「だからね」
「明奈には興味なしね」
「全くね」
「奇麗だとは思うけれど」
「それだけだよ」 
 姉、明奈の母親である彼女に言う。兎角だった。
 五郎は明奈に対しては叔父として接するだけだった、そして明奈は成長するにつれて美人になっていき。 
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