八条学園騒動記
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第七百七十一話 最初から略奪目的その三
「人工衛星で観ていてね」
「草原を」
「それで何かあったら」
その時はというのだ。
「もうね」
「警察が来るわね」
「それで喧嘩もね」
「止められるわね」
「民事不介入でも」
警察はというのだ。
「けれどね」
「刑事だと来るのね」
「すぐね、だから家族同士の喧嘩もね」
これもというのだ。
「特にね」
「問題にならないのね」
「そうよ、すぐにね」
「起こっても」
「収められるから」
「いいことね」
ベッカもまさにと続いた。
「略奪はね」
「ないに越したことはないでしょ」
「そもそも戦いがね」
「ないとね」
「その分平和で」
そうであってというのだ。
「豊かなら」
「いいから。昔だって豊かならね」
それで暮らせたらとだ、ナンも答えた。かなり酔っているがそれでもまだクミズを美味そうに飲んでいる。
「戦わないし」
「略奪の為に」
「だって戦ったらね」
ベッカに真顔で話した。
「死ぬ危険もあるし」
「相手だって反抗するしね」
「襲われるとね」
「殺されるって思って」
「家のものを奪われたくないし」
「当然よね」
「それで必死に戦うから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「戦うと死ぬこともね」
「あるから」
「危険だから」
「戦争程危険なものないでしょ」
ナンは真顔で言った。
「実際に」
「災害もだけれどね」
「やっぱり戦争はね」
「あんな危険なものはないわね」
「だからね」
それでというのだ。
「戦争をしないなら」
「それに尽きるわね」
「ええ、豊かならね」
「暮らせたら」
「戦争しなくても生きられるなら」
そうであるならというのだ。
「本当にね」
「そうするのね」
「好戦的でなくても」
それでもというのだ。
「いいいのよ」
「そういうことね」
「遊牧して暮らせたら」
ただそれだけでというのだ。
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