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ハッピークローバー

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第百四十四話 教会に行ってその七

「本を読んでもね」
「仕方ないわね」
「どうして本を読むか」
 達川は真剣な顔で自分の考えを述べた。
「知識を得る為だよね」
「色々とね」
「その為にあるよね」
「本はね」
「楽しんだり感動したりしながら」
「心の糧を得るわね」
「そうしたものだよね」
 こう言うのだった。
「やっぱり」
「そうよね」 
 一華も確かにと頷いた。
「どうして本があるか」
「そう考えたら」
「やっぱりね」
 それこそというのだ。
「そうなるわ」
「そうだよね、けれどその人は」
「本を読んでも学ばないで」
「偉そうに批評するだけ」
「駄目出しするだけで」
「駄目出ししてるとね」
 達川は難しい顔で言った。
「マウント取るってことだから」
「マウント取ってるとね」
 一華も言った。
「自分が偉いって思えるわね」
「間違いを指摘したりお説教出来る自分偉いってね」
「相手の粗探ししてね」
「そうだね、けれどね」
 達川はそれでもと言った。
「それがね」
「違うわよね」
「お説教好きな人に大した人いないって」
 その様にというのだ。
「俺言われたことあるよ」
「そうなの」
「中学の時部活で先輩にね」
「そう言われたことあるの」
「他の人の粗探しばかりしていて」
 そうであってというのだ。
「その分自分は見ていなくて努力してなくて」
「ああ、努力しないとね」
 一華もそう言われて頷いた。
「自分自身が」
「それがないからね」
「お説教好きな人は大した人がいない」
「そうだってね」 
 その様にというのだ。
「言われたよ」
「今お話してる人もそうね」
「それで偉いと勘違いして」
「努力しないで」
「感謝も何もしないでね」
「餓鬼になって」
「そうなってね」
 それでというのだ。
「本当にね」
「幸せじゃないわね」
「本を借りて感謝しないなら」
 それならというのだ。
「何を食べても」
「大飯喰らいで人の家に上がり込んでご飯何杯も食べるのよね」
「そうしてもね」
 それでもというのだ。
「感謝しないね」
「何か奥さんに作ってもらっても」
「働かないで」
「自分でお料理も竹刀でね」
「働いてる奥さんが帰ってからお料理してくれて」
「美味しいと言わないで」
 そうであってというのだ。 
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