おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその十九
「そうさせてもらいます」
「そうしてね」
「新一君どう?」
私も新一君に言いました。
「先輩は」
「この人のひのきしんですね」
「どうかしら」
「真面目ですね」
新一君は私にも答えました。
「それでいさんでいますね」
「そうでしょ、先輩はいつもこうなのよ」
「ひのきしんいさむ人ですか」
「そうなのよ」
「今まで自分は何もしないで人に押し付けてばかりでしないと怒鳴り散らして意地悪する人と思ってました」
「私も言ってたでしょ」
逆に新一君の中の先輩がどんな人かと思いました。
「そんな人じゃないって」
「だってかんろだいの前で人罵って校門で待ち伏せて聞こえる様に陰口言って笑ってる人じゃないですか」
「それはね」
そのお話はです。
「誰でも間違えることはね」
「あります?」
「だからね」
「いいんですか」
「ずっと言ってもね」
「いや、僕人の過去ほじくり出すんで」
「嫌いだとよね」
またしても新一君の悪い癖性分が出ました、そう思いつつ応えました。
「そうするのよね」
「調べて聞き回って」
「そこまでしたら嫌われるからね」
その嫌いな相手にです。
「それで言うしね、新一君」
「それがよくないってことですね」
「先輩にだってね」
「あっ、私のことはいいから」
その先輩が言ってきました。
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