同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
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第19話
前書き
サイト管理者です。第19話「やはりこの世界は残酷で、理不尽である」になります。
どうぞ、ご覧下さい。
〜〜〜〜〜〜
???「重力干渉波を確認。ワープアウトの可能性有り」
???「第八機動艦隊の到着には早すぎるな。…位置は?」
???「惑星重力圏内の為、特定不能です」
???「捜索範囲を地上にまで広めろ。急げ!」
???「はっ!ただちに向かわせます!」
???「コズモダート様!前方に重力干渉波を確認しました!ワープアウト反応…味方では無い!コレは…ミドガルド艦隊です!!」
コズモダート「次から次へと…。マルス分艦隊は引き続き、惑星重力圏内で発生したワープアウトポイントへ急行を。我が前衛艦隊はこれよりミドガルド艦隊を撃滅する!」
〈ミドガルド艦隊旗艦 プロテクト級Ⅱ型 ウルトン〉
「発見しました。敵ガトランティス艦隊です。距離は約3光秒」
「全艦に伝達。陣形を警戒態勢から攻撃態勢へと変更!対艦戦闘用意!!」
太陽系最果ての星、第11番惑星。ガミラス軍が戦時中に開拓した星であり、ガミラス製の人工太陽によって生存可能な環境に作り変えた惑星。…同志(創造主)と同志プレイヤー達はこの世界を元いた世界かつ未来時代と言っていたが自信なさげだったな。
例として地球で大使を務める同志イザベラと、同じく地球でオブザーバーを務める同志ユリアがそうだな。恐らく同志(創造主)含む全ての同志プレイヤーが疑問に思っていること。ミドガルド定例会議の際、同志(創造主)は「我らが故郷、地球が属する太陽系に第11番惑星なんてあったか?」と疑問の声を上げていた。
ということは我が同志(創造主)を含む全ての同志プレイヤー達が元いた世界とは別の世界線に、WSOの技術を持って転移したことになる。きっと寂しい想いをするだろうと”私”は思うが私から見て全く寂しい想いなど抱えているように見えなかった。
寧ろ嬉々としていた。主に同志(創造主)であるが。まぁ、かくいう私も同志(創造主)を元に創られた存在であるためか、気持ちは分かるというものだ。
「艦種識別…ナスカ級打撃型航宙空母30、ゴストーク級ミサイル戦艦5、ラスコー級突撃巡洋艦40、ククルカン級襲撃型駆逐艦60…以上です!」
「火器管制システム作動よし!」
「…いかが致しますか?オリビア将軍」
…だが今は第11番惑星を荒らす、荒らしであるガトランティスを成敗しなくてはならない。
今更だが我が艦隊の戦力構成が──
・プロテクト級航宙戦闘艦Ⅱ型 1隻
・プロテクト級航宙戦闘艦 2隻
・セレスター級航宙戦闘空母 2隻
・セレス級軽空母 7隻
・AC721スサナー級支援駆逐艦Ⅱ型 6隻
・エリスL級装甲型駆逐艦 3隻
・FG300型フリゲートⅡ級 10隻
・FG300型装甲フリゲートⅡ級 10隻
──以上が私が率いている艦隊でその構成である。本当ならもっと連れて行きたかったのだが自由行動出来るのはこれが限界である。致し方ないか。
「装甲フリゲート艦、エリスL級は前列に展開。私が座乗する艦含め全プロテクト級は共に前列へ。FG300型フリゲート、AC721スサナー級を中列。セレスター級、セレス級軽空母は後列に移動しつつファイターを全機発艦させ制宙権を確保せよ」
「はっ!」
一応セレスター級はプロテクト級をベースに建造された艦艇であるから前列に出ても良いのだが、念の為にセレスター級はセレス級と共に後列へ移動してもらう。セレスター級がやられたら帰投出来ないからな、セレスター級所属の航空隊は。
しかしもう間もなく戦闘になるというのにこんな事を考えるのは何だがガトランティス、ガミラスはシールド発生装置すら搭載されていなかったのは驚きだ。シールドは無いが片方は装甲補強、片方はミゴウェザー・コーティング(帯磁性特殊加工)を防御装備としていた。
ミゴウェザー・コーティング(帯磁性特殊加工)は地球軍第1世代艦の主砲を容易に跳弾させ、防御が出来るのだが宇宙戦艦ヤマト出現以降、その防御はゼルグート級を除き全く以って役に立たない。まぁ、私個人としてはどちらも艦船外見は好みだ。
そんな敵であったガミラスは現在は同盟国。地球を流星爆弾で一方的に環境を変化させた荒らしである存在のガミラスを成敗したかったが、本〜当に致し方がないがシールド発生装置を渡してやった。
プロトタイプ+設計図であるがこれを理解すればガミラスはガミラス本国、軍需産業惑星と時間断層にて量産体制に入ることだろう。これでガミラス宇宙軍は強くなることだろう。
「敵艦隊より艦載機デスバデーダの発艦を確認!数200!」
おっとまたもや思考の海を浸かってしまったか。気をつけよう。先手は此方が取ったから相手からしたら迎撃に当たるか。
「オリビア将軍、意見具申です。発艦した航空隊は経験値獲得の為、このまま敵編隊を迎撃しつつ敵ガトランティス艦隊へと向かわせ、本艦含む全プロテクト級の航空隊は迎撃及び艦隊防空に当てらせたいと思います」
…ふむ。良いだろう。
「そのように為せ」
「はっ」
〜〜数十分後〜〜
戦果は次々とやって来た。
やって来た敵編隊は全て撃破。航空隊計600機から放たれたミサイル及び爆弾は敵艦を捉えゴストーク級2、ナスカ級16、ラスコー級13、ククルカン級24隻を撃沈。
四分の一ちょっとの敵ガトランティス艦隊を撃沈の他にゴストーク級1、ナスカ級10、ラスコー級11、ククルカン級8隻を中破ないし大破という戦果を挙げる。ちなみに我が艦隊の被害は…撃破されたファイターが7、フリゲート小破1だ。
「全艦、第二戦速へ。主砲射程圏内まで前進」
「はっ。全艦、第二戦速。主砲射程圏内まで前進せよ!」
しかし、あのミサイル戦艦は艦首部分に巨大なミサイルが2本あるが…あれ攻撃されたらどうするんだ?男のロマン仕様だな〜(苦笑い)。
「コマンダー、主砲射程圏内です」
「了解。ではゴストーク級ミサイル戦艦を先に片付けろ」
「はっ。全主砲発射用意よし…撃ち〜方始め!」「撃てー!」
まぁ、アレは的になってくだいって言っているようなもの。残念だ。
「弾〜着、今!」
「全弾命中。全ゴストーク級の撃沈を確認!」
うむ。素晴らしい花火である。こいうときなんと言うだったかな。確か、た〜まや〜!だったか?
「報告します。友軍艦隊はナスカ級2、ラスコー級3、ククルカン級5を撃沈。なおも戦果拡大中」
それはそうと先んじて拡散バスターレーザーを発射するべきだったな。次回があればそうしよう。
「偵察機より報告。ヤマトを発見。ヤマトは現在、避難民の収容に従事している…とのことです」
「偵察機より新たな報告。地上の上空に敵艦隊を発見。数は4隻。援軍を乞う…です。コマンダー、いかが致しますか?」
「ファイターを2個中隊、FG300型フリゲート2隻を援軍として送れ。…宜しいですか?オリビア将軍」
そうだな。数的優位は未だ相手が上であるが戦況優位は此方にある。
「構わん」
「はっ。…ただちに援軍を向かわせろ」「了解!」
〜〜数分後〜〜
「オリビア将軍。我が軍は制宙権を完全に掌握。圧倒的優勢にあります」
その通りだな。このまま行けば全て撃滅することが出来るな。残るはナスカ級1隻とラスコー級5隻か。…む?
「前方、重力振を感知。惑星軌道上にワープアウトする模様。規模は6隻です」
「航空隊は現戦闘宙域より一時退避し、艦隊へ引き返せ。艦砲射撃も一時中止せよ。様子を観る。…敵の編成確認を急げ」
「はっ!」
コマンダーの命令を受け、索敵兼通信士官が解析を急ぐ。恐らく、いや確実に我がミドガルドでもガミラスでも…そして地球では無い。…ガトランティスだ。しかし6隻とは…。
「目標、通常空間にワープアウトします!」
視線をスクリーンに見やる。
やがて宇宙空間には、ガトランティス特有の三角型の水色リングが何重も重なって回転する、独特の波紋が広がっていく。巡るましく回転する三角型リング内の奥から、ズズズッと緑色の巨体が出現した。
「やはりガトランティスか…」
「艦種識別…カラクルム級です。しかし…」
索敵兼通信士官が言いたいことは分かっている。…なんだこの音楽は?我々からでは無い。ガトランティスがワープアウトした軌道上からだ。この音楽…まるで終曲のようだ。
「カラクルム級に変化有り」
「解析を急ぎます」
…何をする気だ?。いったい何を…
「カラクルム級、雷撃ビットと思われる物体をカラクルム級艦周囲を集回しています。雷撃ビットは数百です」
ビーム状のシャワーを浴びせるつもりか?だがその割には艦首部分に集まっていないし我々の方に向けていない。組まれつつある陣形は徐々に直列陣であることを察することは出来るが。地上に向けているのは何故……まさか?
「カラクルム級、直列陣の完成と同時に高エネルギー反応を検知!上昇しつつある!?」
嫌な予感がするぞ。
「全艦に告げる。ただちにカラクルム級へ集中砲撃を!」
「主砲発射準備よし。撃ち〜方始め!」「撃てー!」
全戦闘艦から次々と放たれる主砲のビーム群はカラクルム級へと向かっていき…その横っ腹に叩き込み貫き、そして爆沈していった。
「カラクルム級全て撃沈を確認!」
………
……
…
…え?呆気な。
ま、まぁ、後はこれで残りを片付けるだけの簡単な仕事だ。ふっ、勝ったな。風呂入って「前方、重力振を感知!ワープアウトする模様!」…フラグを建築してしまったか。
「念の為、全艦戦闘態勢を取りつつ後退」
ワープアウト時に観測される重力振が捉えられると、直ぐに出没するであろう艦艇群の数を算出していく。まぁ、どうせ大したことは無いだろう。どれどれ〜、
「推定1000!」
……桁を一つ間違えているのでは無いか?まぁ流石にもう増え「まだまだ増えます!」…てた。え、これってまずいのでは?(確信)。
「コマンダーッ!艦首にシールド、エリスフィールドを集中展開だ!それと全ファイター呼び戻せ!全艦後退急げッ…後退を急げー!!」
「はっ、はっ!」
ワープアウトするのが全部カラクルム級だったら無理だぞ?この場で対処出来るのは貫徹力があるプロテクト級やセレスター級、AC721スサナー級Ⅱ型くらいだ。後、貫徹力では無いけどバスターレーザーとか。
最終的に観測された重力振による推測値は、次のようなものだった。──10000隻。…桁!?。いやそれよりも…それよりもどころでは無いがヤマトは何処に?もう第11番惑星から出たのか?。姿見えないが…。
「ヤマトは何処に居る?」
「地中に埋まっています。浅いですが岩盤を上から、のしかかっているようです」
なんだと!?本当にどうしたのだッ?ヤマトはカラクルム級からの高エネルギー攻撃くらっても無い筈…。まさか自分から隠れたか?それは羨ましいことだ。コッチは隠れる場所は無いのだよッ?宇宙空間だからな?!。
一旦落ち着け私。いや落ちけ無いぞっ。あれ、おかしいな。目から水が…。
「立て直す。現宙域、を…ヒク。うぅ…っ」
私今、何を言っているのか分からん。おかしいな。今度はぼやけるぞ。
「しかし、オリビア将軍。地上にはまだ部隊が…何故、あなたは涙を…?もしや…くっ、承知しました。全艦に達する。ただちに現宙域を離脱する!だが忘れるな。我々は再び此処に戻ってくるぞ!!」
『はっ!』
あれ、もしや180度反転してる?あぁ、そうか。勝ったんだったな。そうなのだ。そもそも10000隻なんて可笑しなことなんだ。あはっ、あははハハハー!!。
〜〜そして(数時間後)〜〜
…全く以って全然良くない。何なのだ?、この頭がおかしくなる程のカラクルム級の数は??桁本当に間違っているだろう。え?間違っていない?…間違っていないようだ。はぁ〜(溜息)。
…同志諸君に告げる。やはりこの世界は残酷で、理不尽である。
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