同志諸君に告げる。これが理不尽だ!
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第16話
前書き
サイト管理者です。第16話「カラクルム級ヤバい」と「今何をしているのかって?」になります。どうぞ、ご覧ください。
赤黒くなったカラクルム級は戦闘が困難となって離脱した地球連邦軍の〈ディファイアンス〉〈サラトガ〉の航跡を辿り、八番浮遊大陸からワープした。瀕死の割にはワープするくらい元気なカラクルム級であるが、被害に当たるであろう地球にとっては本当にホント溜まったもんでは無い。
地球軍+地球軍総司令部は勿論のこと、母なる地球に最後の突撃と聞いたWSOプレイヤーであるミドガルドギルドメンバーの一同はてんやわんやの大騒ぎ。
主に”オリビア”であるが。
余談であるが最後の突撃と報告を受けたミドガルドプレイヤー面々であるがその報告は後であったとか。
ワープしたと同時にカラクルム級は地球めがけてもの凄〜い加速する真っ最中、不幸ながらそのルート上に存在するものが二つあった。
それは艦艇で、つい先程、ワープアウトした〈ディファイアンス〉〈サラトガ〉であった。カラクルム級から「退けコラァアッ!!」と猛突進をされてしまい「あ〜れ」とモロに受けた〈ディファイアンス〉〈サラトガ〉はくるくると5回転して、爆沈してしまった。
「月軌道外周に巨大質量がワープアウト!?隕石などではありません!!同ポイントにて〈ディファイアンス〉〈サラトガ〉のワープアウト信号を確認…。巨大質量は八番浮遊大陸戦闘宙域からワープアウトしたカラクルム級と思われます!!」
「何ー!?戦闘衛星はどうなっとる?!」
「戦闘衛星、自動迎撃を開始しました!」
「一般市民への避難誘導プロトコルを開始します!」
月軌道外周にワープアウトしたカラクルム級はスピードを落とすことも無く、更に加速してく。戦闘衛星は向かってくるカラクルム級を確認すると緑色の陽電子ビーム砲を撃ちまくるが「邪魔だ退けコラァアッ!!」と強引に猛突進され戦闘衛星は鉄くずとなった。カラクルム級ぱねぇっす。
地球軍総司令部室に芹沢、藤堂と共に席に座り、状況を見ていたミドガルドオブザーバーであるユリアは直様、”たまたま”月面軌道上、地球衛星軌道上に居た駐留無人艦隊を出撃させた。駐留艦隊司令を務めるコマンダーバトル・ドロイドは陣形を急いで整える。
構成としてはツンドラ級戦術駆逐艦を旗艦とし、ルビー級電磁加速砲フリゲートと安心安価建造超簡単なFG300型フリゲートⅡ級で構成される。7年と数ヶ月前より全ての艦艇にはエリス=ドライブに換装済とはいえ、不安は残るところ。ちなみに実体弾も撃てる。
「全艦、攻撃ヲ開始セヨ!」
「ラジャラジャ!」
120隻以上からなる駐留艦隊のレーザー砲火は苛烈で、此処から先には通さないという意思が強く感じさせる場面である。陣形を横陣形にしていたことも相まって効率的に艦砲射撃を実施でき、より多くの命中打を出すことに繋がったのだ。
ところがエリスレーザー砲を前にしてもカラクルム級には力不足、否!力不足過ぎた!。
ちなみに地球、ガミラスよりもミドガルドが保有する主砲の方が破壊力がある。順番にするとミドガルド、地球、ガミラス、である。だが残念ながらそれですらこのカラクルム級〈カラクロム〉の装甲を満足に穿つことは不可能であった。ドンマイである。
「テ、敵艦隊、構ワズ突っ込ンデキマス!?」
「敵艦二損傷見受ケラレズ。ア、チョットダケデスガ損傷負っタヨウデス。ソレモ穴ガ出来ソウナ程の…流石、ルビー級ダナ…ソウダッタッ!敵艦30秒後に、艦隊ヲ突破サレマス!!」
「ソンナー!?」「分カリマス、コマンダー。ソノ気持チ、同ジB1バトル・ドロイドトシテ良クカリマスヨ」
〈カラクロム〉は「効かんわー!?コレでもくらいやがれ邪魔だ退けコラァアッ!!」と全ての兵装をフル運用しビームの弾幕を駐留艦隊へ張りながら強引に突破した。瀕死の割に元気だね〈カラクロム〉。
駐留艦隊はその半分もの被害を貰ってしまった。
一隻のFG300型フリゲートⅡ級がエリス=フィールドを全開にしながら〈カラクロム〉目掛けて突進するも怒涛の特攻をするカラクルム級〈カラクロム〉には無意味なことであり圧し折るような形で沈んだ。
このままだと〈カラクロム〉は日本の地球軍総司令部目掛けて突っ込んで行けば総司令部どころかその一帯の都市などの被害は甚大なものとなろうと誰もが予想したその時だ。
〈カラクロム〉の後方にワープアウトする艦艇が1隻居た。
「カラクルム級付近後方にワープアウト反応…艦種識別、地球軍所属ノ金剛型〈ゆうなぎ〉デス」
〈ゆうなぎ〉は〈カラクロム〉の隣に付き、全砲門から砲撃を行う。だが効果は無いと直ぐに判断したのか〈カラクロム〉下部に回り込み、〈ゆうなぎ〉自身の艦首から突進し接触した。同時にエンジン主力を全開稼働させながら押し上げる。
「軌道ヲ修正シヨウトシテイルノカ?」
その通りだった。しかし、〈ゆうなぎ〉の献身は虚しく、コース修正を変えることは出来ないでいたその時だ。
「アァ〜、〈ゆうなぎ〉、逆噴射シ離レテイキマス」
「ドウイウ事ダ?」「サァ?」
〈カラクロム〉から離れたのだ。それも砲撃することも無く只、追撃しながら。駐留艦隊のバトル・ドロイド達は疑問に思った時、青く輝く一筋の一本の光が地球からやってきた。それは真っ直ぐと大気圏に突入した〈カラクロム〉へと向かっていき、艦首を貫通させエンジンノズルの所まで一直線に穿ち、そして〈カラクロム〉は瞬時に亀裂を作りながら爆沈した。
こうして、地球は危機を脱したのであった。英雄的象徴でもある艦艇によって…。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
〈オリビアSIDE〉
私は驚いている。八番浮遊大陸にて瀕死となったカラクルム級が地球に特攻したことを衝撃の報告を聞いた時は昇天するぐらい驚いている。だが地球は救われた。それも、なんと海底ドックに眠る改装中の〈ヤマト〉が海底ドックにて。
地球軍総司令部特攻事件のことは置いておいて…は出来ないな。
まさかカラクルム級が出てくるとは思わなかった。いや、正確には名前だけが最近になって知って艦艇形状は初めてだったと言ったほうが良いだろう。
全ての艦艇にエリス=ドライブ換装を7年と数ヶ月前より完了したと同時に設計図はエリス=ドライブ搭載のものとなったが…。
あの場に居たFG300型フリゲートⅡ級からエリスl級の主砲ではカラクルム級表面を貫通することすら叶わなかった。しかし、地球に駐留させて居たルビー級電磁加速砲フリゲートは少しではあるものの貢献出来た。
派生型であるルビー級実験型イオン砲フリゲートであれば、エリスレーザーの上位互換にあたるエーテルレーザーの力が発揮されることだろう。
とはいえ、それはカラクルム級に通じるかは別物だ。試したこと無いもん。
地球駐留艦隊構成を再編成する必要がある。まず増援という形で1個無人艦隊を向かわせる。総数は八番浮遊大陸作戦で投入された同じ数の300隻。
艦種はアークワイズ級フリゲート、AC721スサナー重量級Ⅱ型、プロテクト級航宙戦闘艦Ⅱ型、セレスター級航宙戦闘空母この4点。主にAC721スサナー重量級Ⅱ型とプロテクト級Ⅱ型を中心に。
到着したと同時に無人駐留艦隊は太陽系哨戒艦隊となり再編成。一応無断でやるのは外交的、政治的にマズイと判断し、アレコレ理由をつけた後にミドガルドより1個無人艦隊を向かわせた。
無人艦隊となっているが向かわせた艦隊にはクローン将校が艦橋要員として乗っているので、無人というのは語弊があるのかもしれない。
そうそう、聞いた話によると太陽系全域にはガミラス臣民の盾が至るところに配備されているとのこと。
ガミラス臣民の盾は火焔直撃砲を受け止めることが出来るのは勿論のこと、そういった転送システムの転送座標を大きく狂わせる特殊な妨害電波を放つ機構が盛り込まれており、火焔直撃砲はゼルグート級の盾のみに集約され攻撃さぞ得なくなってしまう。
それとワープ阻害能力を持っている。実は我々にもあるのだ。盾では無いけど。
先の一件を受けてST59アロスト級防御戦艦をアンドロメダ銀河全域中に配備する。コレの特筆するべき点は登録されている味方艦艇などを除き、転送や如何なる次元跳躍をも不可能にする空間撹乱能力である。
ST59アロスト級次元跳躍特化防御戦艦とも呼べることだろう。ちなみに下位互換に当たるガーディアン級次元跳躍防御艦もあり、ST59アロスト級はその発展型でもある。艦の形状は全く似通っても無いが。
量産性に優れたガーディアン級を太陽系に配置。
その関係もあり、ガトランティスによる地球直接ワープ事件は0だ。アンドロメダ銀河?元からガトランティス艦艇確認していない。いないからな。…ガトランティスに無効化する技術があったら詰んだし神に嘆くな。
そうそう、話は変わるが本拠地であるミドガルド本部は未知領域惑星へと移転した。
実はコレ、十数年前より行っていた事なのだが最近になってようやく完成したのだ。氷の惑星に覆われた軍事施設ーーー機動式要塞特化惑星であり、惑星そのものを改造しミドガルド本部とした。この星を『イラム』と名付けた。
爆撃から惑星級の兵器まで全ての攻撃を防ぐため、『重力偏向赤リングフィールド』と最新の惑星シールドによって防御する。多分だが波動砲の攻撃からも耐えれるだろう。本当に多分だけど。
単純な侵入でも亜高速では如何なる宇宙船を通すことは許可が無い限り通すことは許さない。それ以上の速度で侵入するとしても超高度な操縦能力が必要になるだろう。
イラム星に入るには軌道上に有るシールド・ゲートを通らねばならない。
イラム星が属する星系には多数のST59アロスト級次元跳躍特化防御戦艦を重点的に配置。
そして「アルテミスの首飾り」を静止軌道上に惑星を囲うようにして12設置した。コレは人工衛星でありミドガルド=イラム惑星防衛を司る無人軍事衛星システムでもある。
四重のリングが旋回している、さながら天球儀のような外観。攻撃を担当する主幹衛星の周囲を、六基のエネルギー供給衛星が取り囲んでいる。直系の大きさは2km以上。
性能としては戦艦クラス砲撃を弾き返す+エリスフィールドで防ぎながら、武装の重力波レーザー、エリスレーザーで薙ぎ払う。360度全方位長距離に対して各種センサーやレーダー等で索敵し、ハリネズミのごとく大量の兵器で自動で迎撃するので死角は無い。
衛星同士が互いに防御と支援をして連携するように機能するため、まともに戦おうとするとなると攻略は困難。
いやはや此処まで実現出来るとは驚嘆に値するな。素晴らしいことである。
そういえば、3日後に日本でアンドロメダ級4隻の進宙式があるな。式典にはミドガルド大使である同志イザベラ。が参加。同志ユリアもオブザーバーではあるものの同志イザベラと共に同じ列にて参加するとのこと。
私は行けないが生中継+後日に映像記録となって一般に販売されるみたいだから待ち遠しいものである。
…それとは別に気になることが一つある。地球で起きたあのカラクルム級特攻事件の日、宇宙戦艦ヤマトによって阻止された直後、母なる地球が存在する太陽系全域に通信障害が起きたのだ。
原因はまだ分かっていない。ただ分かるとすれば「地球に向けれた」ことくらいだ。それと地球在中武官兼ミドガルド護衛官クローンキャプテンから、こんな報告が来た。要約すると「知人、あるいは親族の幻覚を見た者達が地球軍の中に居る」っと。
…ふっ、どうやら調査する必要があるようだな。調査と言ったらガトランティスの生き残りである兵士を地球政府は一人だけであるが確保したようだ。クソ〜、確保するべきだったな。
…良い感じに話のキリがついたと思ったらつけなかったな。そんな時もあるか。では温泉に入るとしようか。同志達と同志アイリス。
「ひっ、分かっているとはいえオリビアが沢山居るなんてホラー過ぎる!?…く、来るなッ。誰でもいいから助けてくれー!!」
さぁ、温泉の世界にいざ往かん!
後書き
惑星シールド、シールド・ゲートはSWローグワンで登場した銀河帝国管理下、惑星スカリフに使用されていた物とほぼ同じです。
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