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同志諸君に告げる。これが理不尽だ!

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原作前
  第1話

 
前書き
サイト管理者です。第1話になります。
どうぞ、ご覧ください。
 

 
 明かりに照らされた白い部屋の中に幾人かが金属で出来た円卓を囲いように椅子に座っている者たちが居る。

 「なぁなぁ、まだ始めないのかよ〜?」

 


 紅いyシャツの第一ボタンと無地の黒スーツを着崩し身に纏い両耳にアクセサリーを付けた赤髪の少女が言った。名前はアイリス。背中まで伸びたロングストレートの赤髪はロウソクの火のように輝いている。ゴールドの瞳は金塊のような綺麗さで眉と共に細めているのは少しダルそうであり急かすようでもあった。

 「そう急かさない方がいいよ?彼女も『色々』と準備があるからね」

 「も?ってなんだよっ」

 「さぁ?」

 「おいコラッ」

 


 白いyシャツの第一ボタンと柄付きの青いスーツを着崩し身に纏う青髪の少女が言った。名前はテレーゼ。背中の上部分まであるセミロングヘアにスカイブルーの瞳は青空を表すようで綺麗であった。彼女はアイリスへからかいながら言葉を返す。

 「時間は過ぎているようだし『アッチ』に帰ろうって思ってもどうにもならないよね」

 


 白いyシャツに無地の白いスーツを身に纏う灰色の髪をする少女が言った。名前はユリア。髪型はショートにしていて無地の黒いメガネを掛けてあり瞳はテレーゼと同じく金塊のように輝いており、耳に装着しているヘッドギアは近未来のフォルムだと感じさせて知的な印象を与えているようである。

 「それはそうですね。確かに時間は過ぎています。が今は、『この場の時間』が大切ですからね」

 「それは私だって分かってるよ〜」

 「まぁっ」

 


 黒いyシャツに黒いスーツを身に纏う金髪の少女が言った。名前はオリアナ。背中の上部分まであるロングヘアにカチューシャを頭に掛けて瞳は黄色。オリアナは机に突っ伏すユリアを見て、目を軽く見開くと微笑む。
 
 「おやおや、行儀が良くないねユリア。気分が悪くなるよ。ただでさえボクはこの場に来て君を見ると気分が悪いというのに・・・辞めてくれないかな、ソレ。後、視界から消えろメガネ」

 「メガネは『ステラ』も一緒だろ!・・・後者のそのセリフはブーメランとしてそのまま返すよ」

 


 ピンクのyシャツに白衣を身に纏うピンク髪の少女が言った。名前はステラ。首元が隠れるくらいのショートヘアをしていて左耳からリボンのようなものを下げており無地の赤いメガネを掛けており瞳は髪色と同じピンクである。服装と知的な雰囲気も相まって科学者のようだと感じさせる印象である。

 ステラは挑発を込めてユリアに辛辣と悪口を混ぜた毒舌の言葉を掛けるが彼女も負けんとばかり返す。同時に睨み合う二人。

 「気のせいですかね?二人の目から電撃が飛び交うような幻視が見えるのは・・・」

 「いつものことじゃないオリアナ。気にしたら負けよ」

 「オレ知ってる、それって現実逃避ってやつだよな!」「あっ、ちょっとそれはッ」

 「・・・アイリス。逃げちゃだめなの?」

 「あ、え、え〜と、その、うん。逃げてもいいんじゃね、ねぇかな〜」

 「・・・アイリスさん」「・・・言わんこっちゃない」

 


 白いシャツに白いスーツを身に纏う銀髪の少女が言った。名前はイザベラ。腰元まで届くストレートヘアにアメジストの瞳であり、温かい慈愛に満ちた笑みはまるで天使のようである。

 「ハハハっ・・・うん、マジですまん。だからその目は止めてくれよ、じゃなくて止めてください」

 表情と口元は笑っているが目は笑ってなく冷たく凍るような眼差しは鬼を彷彿させるかのようであるとアイリスにはそう見えた。

 「分かればよろしい」

 「ほっ(安堵の溜息)それはよかっ・・・」

 「次は許さない」

 「うっッ!」

 アイリスは鋼の心の持ち主だと自分自身がそう強く思っていたがそうではなかったようだ。と思いガラスハートに修正されたアイリスは心にダメージを受けた。慰めてもらおうとテレーゼとオリアナに目でお願いしたが彼女に送られる眼差しは同情と哀れみであった。

 アイリスの心は崩壊寸前間近であった。なお現在ダメージコントロール中。

 「ーーー殴ってやる!ステラ!?」

 「ーーー奇遇だね?ボクも殴ろうと思っていたところなんだよッ!」

 「まぁまぁ、落ち着いてください。争いは良くな・・・」

 「オリアナは黙ってろ!」「うるさいからどっか行ってよ!?」

 「・・・いんは理想論でしょうね!ぶっ飛ばしてさしあげますッ!!」

 現場は大変なことに。アイリスは虚ろな目となって口を大きく開けて放心状態でありテレーゼは彼女の口から魂が抜けようとしているのでは?と錯覚を覚えてしまう。イザベラはアイリスに無言の圧を掛けて。ユリア、ステラ、オリアナは拳による語り合いが始まろうとしている。

 テレーゼは色々と頑張った。でも駄目だった。今の自分にはただ祈ることしか出来ないのだ。

 ーその時であるー

 ーー同志諸君、待たせたな。

 「「「「「「ッ!!」」」」」」

 声が聞こえた。それも頭の中で。瞬間、今までの事が嘘だったようにスパッと椅子に座る。
 アイリスは再起動したようだ。良かった良かった。
 同時に誰もがその方向から聞こえたであろう方向に振り向く。

 入り口の扉が左右にスライドし開かれ、二人の少女が入室する。

 


 服装は軍服であり白い詰襟型のジャケットに前合わせで金のボタンに【桜に錨】の紋章が印字されたのが5つある。女子用軍服のスカートから伸びる黒いストッキングに包まれたスラリとした両足はモデルのようである。
 そして背には肩章(ゴールド)に飾緒が付いているコートを羽織っている。

 髪は腰元まで届くロングストレートで純白であり瞳は明るい黄土色。

 もう一人も軍服ではあるがシンプルでありシャツに無地の黒いジャケットを着ていて頭には黒い帽子を被っている。
 髪は黒色で全体的に短く整っていてショートに近い髪型で首元(後ろ)が隠れるくらいある。
 瞳は黒である。

 この場に集まる誰もが容姿端麗であり【美少女】と呼ぶに相応しい。

 純白の少女は席に座り黒髪の少女は付き従うように隣に直立不動をし佇む。

 室内は静寂に包まれる。

 ーー同志諸君、待たせたな、ーー同志諸君、待たせたな、よしっ。

 「同志諸君、待たせたな」

 「「「「「「・・・」」」」」」
 
 「?」

 ーーあれ?さっき言っていたよな?。
 
 ーーなんで繰り返し言うだろうね?。

 ーー練習かな?。

 ーー可愛いですね。

 ーー静かにした意味ないじゃん。
 
 ーーあぁ〜。

 6人の少女は純白の少女に温かい目線を送る。
 
 「・・・同士諸君、聞こえているからな?」

 純白の少女の名前はオリビア。円卓に座る6人の纏め役を担当している。オリビアは常に感情を乱すことが無くクールだと自負しているがそれでも限界はあったのか涙目である。

 ちなみに先程の「頭の中」で声が聞こえたのは念話を使ったからだ。念話は補佐官を除くこの場の全員が使える。

 オリビアは気を取り直し表情を引き締めて言葉を放つ。

 「全員、揃ったようだな。……では、これより緊急会議を始める」

 今まで明るかった空気が一変し室内は張り詰めた緊張した空気となって広がった。
 
 「内容についてだが、既に同志諸君は把握していると思うが念の為、見てもらいたい」

 オリビアは補佐官でもある黒髪の少女に身振りで円卓に座る者達に端末を配るよう指示を出す。

 指示を受けとった補佐官は入る際に一緒に持ってきた金属のケースから人数分の端末を取り出し配る。

 補佐官より受け取ったのは【書類端末】と呼ばれるものである。書類端末とはインプットされた情報をホログラムとして目の前に投影し見る為のものだ。
 
 紙媒体などの書類もあるが今回は書類端末が使用される。

 少女達は端末を起動するとホログラムが自分の目の前に投影された。
 ホログラムの投影された大きさは大体タブレットサイズ。

 少しの間、端末に表示された情報を黙読する時間が続いた。
 室内は怖いくらい静かとなった。そしてーーー

 『はぁ(溜息)』

 補佐官とオリビアを除く少女達が溜息を出した。出さなかった側も『再度』出したい程。同時に疲れ切った様子を見せる少女達。
 
 「これは確かの情報なのですか?いえ、疑う訳では無いのですが・・・」

 「あ〜艦隊がッ」

 「月に建てたから月もセットで要塞基地ごと、『転移』したって…えぇーッ?!」

 「声うるさいよ、アイリス。けど今回ばかりはボクも声高に叫びたいくらいだね。…障害物が無い宇宙空間に転移したと考えれば寧ろ良好か?いや、星と星の衝突が無いだけマシ?はぁ(溜息)…それ以外に」

 「私達が知る銀河系が一つも無いわよ!此処何処なの!?」

 「システムコマンド起動!…基本的なシステムすら出ないとは」(唖然)

 端末に表示された情報を見て信じ難い表情をすると同時に驚きを露わにする少女達。

 「驚くだろう?かくいう私もだ。WSO世界なのかも分からない。使用していたアバターに転生?憑依?で五感を感じることが出来る時点で”現実”世界であることは間違い無いだろう。確認の為、私は気持ちを落ち着かせる意味合いも含めて停泊所に在る軍艦に乗って宇宙に出た。・・・月は綺麗で白くて丸かった(ドヤ顔)」
 
 「「「「「「ッッ!!(ꐦ°᷄д°᷅)」」」」」」

 「ま、待て!銃を向けるなッ!私は偉いんだぞ!?」

 「知るかよ!偉いんなら先に部下を労えよな!?部下じゃねぇけど『ダチ(同志&親友)』だろうがッ!」

 『そうだッそうだ!』

 「う、うるさい!いいじゃないかッ。って危ないぞ!本当に撃つバカがいるか!?」

 少女達はオリビアが時間に遅れたのはソレが原因だなと確信に近い考えに至り彼女にハンドガンを向ける。その内の一人、アリスは無言で銃のトリガーを引いたことに補佐官は苦笑いだ。補佐官止めなさい。

 「ちょっと待て?今、軍艦って言った?」

 ユリアは銃を向けたまま気になる疑問を指摘する。書類端末には艦隊は無いと記載されていた筈だ。

 「この状態で聞くのか同志ユリア……あぁ、言ったぞ、と言っても初期の艦だぞ?設計図に各種有っても資源がとても有るとはいえない状態で無理だ。。現在停泊中の艦は『FG300型フリゲート』と小型採掘貨物艦くらいだ」
 
 だから、合わせると30隻くらいになる。と最後に付け加えるオリビア。

 少女達は無言で銃を仕舞い席に着く。今日は色々と疲れる日になりそうだな、と思いながら。

 オリビアは命の危機が消えたことに安堵の息を出して自身も席に着く。

 「では気を取り直して。まず今後の方針なのだが・・・」

 会議を進め今後の方針を固めていき結論が出た。

 ・星系含む銀河系の探査、及び地図の作成
 ・資源採取
 ・軍備増強
 ・その他
 
 「…では改めて。突然、非現実的な事態に巻き込まれ、内心不安だろう。「不安じゃねぇ〜よ」「しッ!静かに」…実際、元の世界に帰る糸口すら掴めていない。だがコレはコレで悪くないのでは無いか?地球で出来なかったことがWSO世界の技術を用いて好きに出来るのだ」

 『・・・』
 
 少女達は不敵な笑みを浮かべる。

 「では同志諸君に告げる。あ、その前にまずはーーー」

 ーーご飯を食べようか。私は空腹だ。
 
 その言葉を聞いた少女達も無言で賛同するように頷き、やるべきことの前に腹ごしらえをするのであった。 
 

 
後書き
(登場人物:アイリス)
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(登場人物:テレーゼ)
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(登場人物:ユリア)
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(登場人物:オリアナ)
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(登場人物:ステラ)
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(登場人物:イザベラ)
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(登場人物:イザベラ)
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