北朝鮮はいい国
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第六章
「思うもんだ、軍隊ばかりだしな」
「先軍政治って言うな」
「マスゲームもあるな」
「それもしょっちゅうやってるな」
「将軍様の顔が出るな」
「ああいうことばかりやっててか」
「何がおかしくないのか」
実に忌々し気な口調で話した。
「それがわからないならな」
「馬鹿か」
「そうだ、馬鹿だ」
まさにというのだ。
「そんな馬鹿が学校の先生や組合にはいるんだ」
「そうなんだな」
「それも結構な」
少数ではなくというのだ。
「それもわかることだ、先生といってもな」
「常に正しい訳じゃないんだな」
「そして頭がいいともな」
「限らないんだな」
「そうだ、馬鹿だから信じるんだ」
それ故にというのだ。
「北朝鮮の言うことをな」
「見ればわかることを」
「そして違うと言われてな」
そうなりというのだ。
「事実が出てもな」
「信じないんだな」
「それが馬鹿だ、そしてそんな馬鹿はどうなるか」
「あの先生みたいになるか」
「碌なものじゃない」
一言で言った。
「多少の馬鹿ならいいがそこまで馬鹿になるとな」
「いい結末じゃないか」
「ああ、そんな馬鹿も知ることもな」
父は苦い顔で話した。
「世の中の勉強の一つだ」
「そうなんだね」
「世の中多少の馬鹿もいればな」
それと共にというのだ。
「かなりの馬鹿もだ」
「いて」
「その先生みたいなのもな」
「いるんだね」
「会社にもいるからな」
「組合の人だね」
「そんな馬鹿の言うことは聞かないでな」
そうしてというのだ。
「相手にもするな」
「そうすることだね」
「ああ、あまりにも酷い馬鹿の言うことは聞かないことだ」
「聞いたら自分も馬鹿になるから」
「そして勿論信頼することもな」
「駄目だね」
「そうだ、北朝鮮だけじゃない」
父は強い声で話した。
「他にも明らかにおかしな奴や団体とかを支持してる奴はな」
「言うことを聞かないで」
「信用しないことだ」
「馬鹿過ぎるからだね」
「そうだ、覚えておけよ」
「そうするよ」
重太郎は父の言葉に頷いた、そうしてだった。
彼はそれからも、就職して結婚して家庭を持ってからも父の言うことを覚えていた。そしてその様にして大きく間違えることはなかった。その分幸せな人生を過ごすことが出来た。
北朝鮮はいい国 完
2024・9・29
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