八条学園騒動記
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第七百七十話 最強の戦士その三
「匈奴の頃でもモンゴル帝国の頃でもね」
「確かにね」
ベッカはナンの自信を受けて述べた。
「馬と歩兵だとね」
「圧倒的でしょ」
「ええ、ただ取っ組み合いになっても」
「勝つ自信あるわ」
ナンはベッカに笑って話した。
「匈奴でもモンゴル帝国でもね」
「天下のスパルタに」
「上には上がいるで」
そうであってというのだ。
「極限の中で生活自体が軍事訓練の」
「そうした中で生きてるなら」
「もうね」
それこそというのだ。
「スパルタ以上にね」
「強いのね」
「その自信がよ」
「あるのね」
「流石に今は無理でも」
ナンは笑って話した、やはり草原でも当時と比べて生活が楽になっていて戦うこともないことがわかっていての言葉だ。
「モンゴル帝国だと」
「その時代だと」
「それで匈奴の時代でもね」
「取っ組み合いでもなのね」
「スパルタ兵に勝てるわ」
「幾ら強くても」
「もっと強いのよ」
モンゴル兵はというのだ。
「まさに無敵よ、ただね」
「ただ?」
「いや、無敵でもね」
ナンはクミズを飲みつつベッカに真顔で話した。
「やっぱり負けるわね」
「無敵でもなのね」
「疲れ切ってアラブでね」
「ああ、負けたわね」
アロアが焼きそばを食べてから応じた。
「バイバルスさんにね」
「敵も強かったし」
「遠征続きで疲れていて」
「流石にね」
「そうした状況だとね」
「あと海に弱くて」
「日本を攻めて」
こうナンに言った。
「それでよね」
「失敗したわ」
「そうよね」
「しかもそこにいたね」
日本にというのだ。
「鎌倉武士がね」
「ああ、強かったのよね」
「それもかなり」
「そのこともあってね」
「無敵でもなのね」
「負けたのね」
「無敵と言っても」
それでもというのだ。
「やっぱり人ってことで」
「最後は負ける」
「そうなるのね」
「それはモンゴルも同じで」
それでというのだ。
「本当に遂にはって感じでね」
「負けるものね」
「それが人の世ってことね」
「そうよ、まあ無敵って言葉自体が」
これがというのだ。
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