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生まれ変わったら、青い肌を持つ異星人になりました【未完】

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第2話「前世の記憶」

 ーピピピっ、ピピピっ、ピピピっー
 

 窓より照らさる心地よい日の光とアラーム音で男は起きた。猫のようにからだを伸ばして、手の甲で目をこすり、ブルブルッと顔を横に振る。

 「ふぉああ〜今日も仕事か〜〜、何日目の出社だっけ?」

 とろんと眠気の残った声でそう言う。

 
 やあ、初めまして、俺の名前は二ノ宮大和。平和な現代日本に生まれ日々を仕事に追われている28歳の社会人だ。
 今日も会社のために働くぞ!っと思っているあたり。

 
 自分はもうダメかもしれない…。


 男は疲れていた。何故こうなっているのか?過去を振り返る...。

 
 男は性格が明るく人付き合いが上手で笑顔が絶えない。運動神経が良く頭もそこらの者より勉強が出来ていた。
 やがては名門校と謳われるところへ入学し優秀な成績を残して卒業。彼を知るものらは言う、(この先も彼なら大丈夫)っと。 

 そんな彼だが、悩みがあった。それは…〈会社〉

 友人たちは社会に出ているというのに自分は、まだっ(泣)
 自分の力を示したいと社会に出る若者たちが当たり前に考えること。

 探しに探した結果、遂に巡り会えた。

 それはオフィス系の職業で仕事内容は事務、データ入力などが中心。大和はすぐに応募した。結果は合格!

 一発で合格したことに大和は喜んだ。友人や親にも、このことを報告した。

 友人からは「おめでとう!」
 親からは 「流石、うちの子だ」

 と言ってくれたことに嬉しくなり、舞った。

 そんなこんなで大和は準備した。スーツに靴、鞄を買い、その他に必要なものを準備した。夜、ベッドによこになり、眠りに入る前に「出社するのが楽しみだ」と言い眠りに落ちた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「あの時が懐かしいな」

 そう口に出した。懐かしかった。言葉では表現出来ない夢を抱えて社会に出た。希望が待っていたはずだった。
 だが待っていたのは…《絶望》。

 初めは上司から仕事が山のように来たがこれも新人を鍛えるためなんだと思い受け入れた。もらった中でわからないものがあったので聞いたら...

 「これすらも分からないの?」いや分かりませんよ。当たり前だ、そもそもどうやればよいのか、だが上司は
「情けない!こ〜んなことで聞くなんてどうなっとるんだっ、これだから若者は!」

 (・・・なんか怒られてる・・・)

 更には...

 「はーい、唱和するぞ〜」

 (唱和、たしか士気を上げるための、か)
「ひとーつ、オールフォンワン、1人残ったら残業すべし」
『ひとーつ、オールフォンワン、1人残ったら残業すべし』

 ・・・ん?

 「ひとーつ、オールフォンワン、社長のために働くすべし」
 『ひとーつ、オールフォンワン、社長のために働くすべし』

 ・・・・・・んん?

 「ひとーつ、〜〜〜」
 『ひとーつ、〜〜〜』


 うん、苦い思い出だな(泣)

 休みは週に1日だけ、給料は求人どおりだった(嬉)、では無く以下だ。半分しか貰ってないぞ!その時は泣いたな。だが幸い趣味に向き合う時間はあるのは幸いかな。
 ・・・残業最近増えてるから時間減ってるが・・・
 おっと仕事に行くか。体調の方は優れないが大丈夫だろう、今日も頑張ろう!


 ー会社に到着ー

 仕事開始だ。今日はやけに多いな。だが黙々とやるしかない。誰かが叱られて誰かがクビ宣言されたとしてもやるしかないのだ。

 もう6時間たつのか。疲れがまた出てきたな、エナジードリンクもう一本飲むか。蓋を開ける。
これ飲んだら6?7本目か。にしても今日はやけに身体が重いな、視界が定まらない。

 これは、もしや一気飲みをしないと治らいのでは!?
 そうと決まればさっそく、頂きます。
 



 葬式が終わりまた一人また一人とその場から去っていく。最後に残っていたのは少女、アベレーテ。苦痛に満ち、頭を抑え頭に入る〈何か〉を堪えた。
 それは、ブレーカーのスイッチを切り替えるかのように、前触れもなくいきなりきた。

 ──ぎゅるり、と。物凄い。とにかく、物凄い。
 
 そうとしか表現し様がない感覚と共に、彼の脳裏を埋め尽くしたのは……膨大なんて言葉では到底足り得ない、膨大過ぎる情報の濁流であった。
 
 この少女のことや家族、この世界のこと、沢山のそれらがやってきたのだ。傍からみたら凄く心配に思うだろう、<何か>を堪える彼女を。

 だが当人からすればそれどころではない。パンパンに溜ったダムの水を桶で抜いていくかのような、根気のいる作業であった。
 時間にして数時間、この場に当人からすればそれは一瞬のことであった。

 だから、フッと気が遠くなって、我に返った直後。自分はポツンと立っていた。

 アベレーテは手の甲で涙を拭い思う。

 (え?何この姿?)

 いやそれよりもこれは…異星人?周りを見るが地球でないのは確か。

 異星人って本当にいるんだな〜今や自分もその一人だが...。
 まぁ、初めは気にするだろうが些細なものか。慣れる慣れる。

 せっかくあの会社から開放されたんだ。

 ー異星人になったからってなんだっ。今度はー

(今世こそは幸せな人生をこの手で掴んでみせる!)
(もう、迷わない!!)

 そう思い、夜空に輝く星々を真っ直ぐな目で見て誓う。

 あ、そういえば...

 ・・・帰りどうしよう・・・

 アベレーテは道に迷いそうになりました。 
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