神々の塔
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第八十三話 光の神その十一
「あたいだってね」
「ほんま誰でもな」
「鬱にはなりたくないわ」
「誰かてな」
「ほんまに辛いらしいし」
「夏目漱石さんが鬱になって」
綾乃はこの文豪の話をした。
「ロンドンとかで大変やったらしいね」
「そうみたいね」
アレンカールも彼について応えた。
「あの人ロンドン留学して」
「ほんま全く馴染めんで」
「それでね」
「鬱になりはって」
「大変だったそうね」
「そうだったのよ」
こう話すのだった。
「あの人はね」
「そやったわね」
「帰国しても悩まされて」
そうなってというのだ。
「小説書いてたらなおったらしいし」
「気が晴れたのよね」
「元々被害妄想強くて癇癪持ちで」
「困ったところがあったわね」
「おっちょこちょいなところもあって」
「人間味があるにしても」
「DVもあったりして」
現代ならば確実に大問題になるまでのこともしてきたのだ。
「ほんまね」
「大変な人やったのよね」
「お身体の方もそうで」
心の病に悩まされるだけでなくだ。
「胃潰瘍に糖尿病に」
「その二つも大変ね」
「ほんまに色々あった」
「そんな人だったわね」
「それで鬱にも苦しんでん」
「そういうことね」
「そやねん」
まさにというのだ。
「あの人は」
「そやったね」
「兎に角」
これがというのだ。
「あの人は大変やってん」
「精神的によね」
「それでお身体も」
「胃潰瘍に糖尿病で」
「そっちもやってん」
「難儀な人やったってことね」
「プライベートやと。ただ癇癪持ちでも」
それでもというのだ。
「慕う人は多くて」
「芥川さんとかね」
「そやねん、それで」
そうであってというのだ。
「人望はあってん」
「ええ人やったみたいね」
「色々問題はあっても」
それでもというのだ。
「そやってん」
「あの人はね」
「小説だけやなくて俳句も書いてはるし」
「そっちを読んでもええわね」
「そうやね」
漱石についての話もした、そしてだった。
一行はルー達が待っている階に行く前に行く階段の傍の宿屋に入って休んだがそこで朝食に食パンを食べたが。
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