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グーグルストリートレビューにて

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第一章

                グーグルストリートレビューにて
 ウイスコンシン州に住むビクトリア=ミューズ黒髪で面長の顔に青い目の背の高い白人の彼女は友人にグーグルレビューを見せて話した。仕事は自動車のディーラーで今その勤務場所で休憩を摂っている。
「見てこれ」
「あれっ、この子」
 友人はその画像に映っている一匹のタキシード模様の雄猫を見て言った。
「サミーじゃない」
「そう、あの子なのよ」
「去年亡くなった」
「十二歳でね」
「そうだったわね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「グーグルでお家の方観てたら」
「ストリートレビューでなのね」
「そうしたらうちの玄関が出て」
「そこのサミーがいたのね」
「ええ、よくね」 
 ミューズは友人に笑顔で話した。
「こうしてね」
「サミーお家の外に出て」
「玄関のところに座ってたの」
「カメラ目線ね」
「映ってるのわかってたのかしら」
「猫の勘で」
「去年お別れして寂しかったけれど」
 それでもというのだ。
「こうしてまた会えてね」
「嬉しかったのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「画像保存したわ」
「そうしたのね」
「ええ、サミーのこと忘れないわ」
「家族ですっと一緒にいたからね」
「それでまた会えたから」
 ストリートレビューでというのだ。
「保存しておくわ」
「そうしたらいいわ、サミーも喜んでくれるわ」
「天国からね」
 笑顔で話した、その話をだ。 
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