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女子大生の下着

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第二章

「定着していますよ」
「そうですか」
「はい、多くの方が買われます」
「凄いですね。このブラも」
 黒のラメ入りのそれも見て言った。
「凄いですね、何かマイクロなものもありますし」
「そちらも売れてます」
「殆ど隠してなくても」
「そうですよ」
「このお店前から通ってますが」
 それこそ中学時代からである。
「ですが」
「こうした下着はですか」
「ちょっと以上にです」
「縁がなかったですか」
「はい、派手な下着を買おうと思って」
 阿礼は店員に素直に話した。
「来ましたけれど予想以上に」
「派手ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうでした」
「そうなのですね」
「黒のティーバックをです」
 この下着をというのだ。
「標準と思っていましたけれどもっとですね」
「派手な下着があってですか」
「驚いています」
 ここでも正直に言った。
「本当に」
「何でしたら」
 店員は驚いたままの阿礼にさらに言った。
「よりです」
「派手な下着がありますか」
「ご覧になられますか」
 こうも言うのだった。
「ここは」
「どんな下着ですか?」
「こういったものですが」
「これは」 
 ティーバックどころではなくオーバックそして大事な部分が露出しているものまであってであった。
「もう」
「お嫌ですか」
「止めておきます」
 こう店員に答えた。
「私は」
「そうですか」
「別のものにします」
 引いた顔のまま言ってだった。
 阿礼は下着を買って家に帰った、そのうえで母に話したが。
「白とか黒のティーバックだけなの」
「ええ」
 母に眉を曇らせた顔で答えた。
「買ったのはね」
「透け透けや大事なところが出ているのはなのね」
「買わなかったわ」
「そうした下着もあるけれど」
「私には無理よ」
 絶対にという言葉だった。
「だからね」
「ティーバックだけね」
「ええ、それだけよ」
「それで大学に入ったらなのね」
「そうした下着を着けるから」
「それじゃあそうしてね。しかし確かにね」
 母は達観した様にして言った。
「派手な下着ってあるわよね」
「世の中には」
「お母さんも最初見て驚いたけれどね」
「本当に凄かったわ」
「世の中ああした下着が好きな人もいるのよ」
「そうなのね」
「そう、まああんたが着けたい下着着ければいいのよ」
 娘に笑って話した。
「要するにね」
「そうなのね」
「そう、じゃあそのティーバックをね」
「着けるわ」
 母に答えた、そして阿礼は大学生活に入ったが。
 ティーバックは着けてもあまりそうしなかった、普段はこれまで通りの下着であった。着けてみたが自分にはあまり合わないと思ってだ。大学生の間も基本これまで通りであった。


女子大生の下着   完


                   2024・9・24 
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