| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第二章 膠着状態に入りその六十三

「しかしです」
「我々程ではありません」
「そこも違いが出ていますね」
「連合とサハラのそれが」
「技術の違いが」
「食事、レーション一つ見ても」
「そうですね」
 まさにというのだ。
「まことに出ています」
「その違いが」
「軍事技術は遅れておらずとも」
 もっと言えば連合より進んでいる部分もある、サハラの千年の戦乱の結果そうなっているのもまた事実である。
「それでもですね」
「レーションについては」
「まだまだですね」
「遅れている」
「そうとしか言えないですね」
「この国は」
「そしてティムールも」
 この国の名前もまた出た。
「あの国もですね」
「実にです」
「遅れています」
「レーションのことは」
「そのことを実感します」
 実にというのだ。
「兵器はかなりのものです」
「そちらの性能は見るべきものがあります」
「我々よりも進んでいる部分が多いです」
「特に艦艇の速度はかなりのものです」
「我々のものなぞ足元にも及びません」
 連合軍の艦艇は彼等が認める通り速度は遅い、これは攻撃力や防御力に重点を置いてあえて速度を犠牲にしている為である。
「それに攻撃力もかなりです」
「まさに軽騎兵です」
「その性能は侮れません」
「我等は言うなら重歩兵ですが」
「重歩兵は軽騎兵とは相性が悪いです」
「速度が遅いので」
 重装備でしかも歩兵であるならどうしてもそうなる。
「遠距離攻撃も強く」
「かつ索敵も優れていますが」
「それでも速度は大きく劣り」
「それが問題ですから」
「だからこそです」
 サハラ各国の艦艇はというのだ。
「我々も見るべきものがあります」
「我が軍の艦艇の課題は速度です」
「速度をどう上昇させていくか」
「攻撃力や防御力はそのままで」
「ダメージコントロールも維持し」
「索敵もいいままで」
 そうした性能を確保もっと言えば向上させつつというのだ。
「どう速度を上げるか」
「オムダーマン軍もティムール軍も艦艇の速度は我が軍の倍です」
「それ位の速度があります」
「そして他の兵器の性能もかなりです」
「艦載機や戦車にしても」
「偵察艇にしても」
「ですが」 
 それでもというのだ。
「レーションはこの通りです」
「設備も劣悪です」
「我々から見れば」
「居住環境も酷いです」
「我々では住めません」
「とても無理です」
 連合市民である彼等にしてみればというのである。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧