八条学園騒動記
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第七百六十九話 三人で飲むクミズその十二
「飲めないでしょ」
「すぐにはね」
ナンも言った。
「特に夏は」
「そうそう、夏はね」
まさにというのだ。
「飲めないわよね」
「そこまで沸騰させたのなんて」
「お酒でもね」
「お酒はお水より沸点低くても」
「やり過ぎでしょ」
「流石にね」
「大体ね」
アロアもその酒について言った。
「そこまで沸騰させたらアルコール飛ぶでしょ」
「かなりね」
「何でそこまでしたのか」
「何でも細菌恐怖症で」
ナンは泉鏡花のこのことを話した。
「極端な潔癖症でね」
「お酒をそこまでしてなの」
「飲んでいたそうよ」
「そうなのね」
「他にもね」
酒だけでなくというのだ。
「お豆腐は湯豆腐、何でもしっかり火を通して食べる」
「そんな人だったの」
「拭き掃除にもこだわりがあって」
家の使用人達にそうする様に言っていたのだ、雑巾を常に変える様にと言っていたと言われている。
「蛸とか海老とか蝦蛄もね」
「私どれも好きだけれど」
「私もよ」
アロアもベッカも言った。
「特に蝦蛄ね」
「私蛸よ」
「どれも美味しいわね」
「かなりね」
「それでもね、形が悪い生きものは」
ナンはこのことも話した。
「食べなかったそうよ」
「連合じゃ皆食べてるけれどね」
「どの国でもね」
「烏賊だってそうだし」
「海鼠も海胆もね」
「まあ草原じゃね」
ナンは少し苦笑いで話した。
「海のそうした生きものはね」
「いないわね」
「やっぱりね」
「川にいるものを食べるわ」
星によっては淡水生の蛸や蝦蛄もいて食べられるのだ。
「そうしてるわ」
「そうなのね」
「しっかりと食べてるのね」
「モンゴルでもね」
「そうしたもの食べるのね」
「あまり食べないけれど」
あくまでメインは羊や乳製品だとだ、ナンは羊肉を食べつつ言った。言いつつ馬乳のチーズも出した。
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