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八条学園騒動記

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第七百六十九話 三人で飲むクミズその八

「元々遊牧民の食べもので」
「それが中国に入って」
 ベッカも焼きそばを食べている、そのうえでの言葉だ。
「日本にも伝わったのよね」
「それで残ってるのよ」
「そうよね」
「それで元は牛乳から作らずに」
「馬乳とか羊乳とか」
「あと山羊ね」
 この家畜のミルクだというのだ。
「そうだったのよ」
「成程ね」
「そういえば」
 ここでナンはこんなことを言った。
「蘇に蜂蜜かけて食べるとか」
「それってチーズに蜂蜜かけるのと同じよね」 
 ベッカはその話を聞いてこう言った。
「要するに」
「その食べ方モンゴルにはないから」
「蜂蜜自体がないから」
「何でもこの食べ方をして」
 蘇に蜂蜜をかけて食べてというのだ。
「糖尿病になった人いるそうね」
「糖分のせいね」
「蜂蜜のね」
「そのせいね」
「確かその人は」
 ナンはさらに話した。
「藤原道長さんね」
「ああ、日本のお公家さんね」
 アロアが応えた。
「あの人ね」
「そう、あの人だったと思うわ」
「あの人糖尿病だったのね」
「そうだったみたいよ」
「それでその原因は」
「そのせいだったみたいよ」
 こうアロアに話した。
「蘇に蜂蜜をかけて」
「それを食べて」
「好きでよく食べたらしくて。多分お酒もね」
「お好きで」
「日本酒で」
 当時の日本の酒といえばだ。
「しかも今の日本酒より糖分高くて」
「糖尿病になったの」
「そうみたいね、まあ蘇だけ食べていたら」
 ナンはそれならと話した。
「別にね」
「糖尿病にならないわね」
「別にね」
「そうよね」
「どう考えても」
 アロアとベッカも言った。
「蘇って要するにチーズだからね」
「チーズだけ食べてもね」
「糖尿病にはならないわ」
「絶対にね」
「そう、モンゴルで糖尿病はね」
 ナンはそれはと話した。
「昔はまずね」
「なかったのね」
「そうだったのね」
「ええ、糖分自体あまり摂らなくて」
 そうであってというのだ。
「いつも馬に乗ってね」
「身体動かしてるから」
「カロリーも消費されて」
「しかも草原って寒いから」
 このことも話すのだった。 
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