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ばれた浮気メール

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第二章

「笑えてきたわ」
「そやな」
「一周してかえってな」
「何かこのチュッて」
「腕枕とかな」
「笑えるネタやないか」
「よお見たら吹き出すわ」
 笑いながら言い出したのだった。
「メール全文笑わずに読めんわ」
「おもろいやんけ」
「テレビでもネタになってるな」
「ネット大炎上や」
 こうした話をしてだった。
 彼等は笑いだした、そして。
 件の人物が甲子園球場に出ると野次に使った、そうして言うのだった。
「しっかりせいや!」
「本物のコンサート行かんかい!」
「奥さんと一緒にディナーショー行ったな!」
「それで満足やろ!」
「二度とすんなや!」
「家庭大事にせい!」
「奥さんに離婚されんでよかったな!」
 口々に言った、そうしてだった。
 阪神の応援をはじめるがこの時も思うのだった。
「色々ネタが出るが」
「他のチームと比べて想像出来ん位な」
「そやからこそ応援しがいがあるわ」
「これこそ阪神や」
「阪神はこうでないとあかん」
「今年も応援するで」
「何処までも付き合うで」
 こう言って応援するのだった、見れば甲子園を埋め尽くす彼等の顔は活き活きとしていた。そのうえで件の彼も観ているが。
「現役時代は守備よおてな」
「ヒット打ってくれてな」
「あの時阪神は弱かったけどな」
「少ない楽しみやったな」
「毎年みたいで最下位で」
 彼が現役の頃はというのだ。
「投手陣はよおてもな」
「打線はてんで打たへんで」
「負けまくってたけどな」
「その時に頑張ってくれた」
「ええ選手やったな」
「ほんまな」
「それで今もチームにいてくれるし」
 引退した今もというのだ。
「その分嬉しいな」
「ああ、何だ噛んだあってもええな」
「今もチームにいてくれるって」
「そやから今年も頑張って欲しいわ」
「今年こそ日本一や」
 彼を観つつ言うのだった、そうして彼も何だかんだで応援するのだった。


ばれた浮気メール   完


                  2024・9・17 
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