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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその四十八

「多忙だな、しかしだ」
「それでもですね」
「今はそうせねばならない」
「閣下はそう言われるのですね」
「私でないとだ」
 どうしてもというのだ。
「戦えないからな」
「だからですね」
「ここはあえてですね」
「戦場に出られていますね」
「そして指揮を執られていますね」
「国家元首になりわかったことの一つだが」
 そのことをさらに話した。
「やはり国政、一国のそれを担うことは大きい」
「だからですか」
「戦場にもですか」
「出ることもですか」
「そうそうというのですね」
「出来るものではない、それをするとだ」
 どうなるたというのだ。
「国政を進めるだけでなくな」
「それにですね」
「戦争のこともある」
「だからですね」
「極めて多忙ですね」
「そうなる、だからな」
 それ故にというのだ。
「あまりだ」
「行うものではない」
「左様ですね」
「それで、ですね」
「今閣下も言われていますね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
「その通りだ」
「では、ですか」
「出来ればですか」
「国家元首は戦場に出るべきではない」
「そう言われますか」
「そうも思う、私は軍人だが」
 アッディーンも本質的にはそうである、そうした意味で彼もシャイターンと同じ部類の人間である。
 だがそれでもとだ、彼は言うのだ。
「やはりな」
「それでもですね」
「国家元首になると」
「それならですね」
「国家の政務があるので」
「それで、ですね」
「国全体を見なければならないからだ」 
 戦争だけでなくというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「戦場に出るにはですね」
「問題がありますね」
「そうなのですね」
「そのことを実感している、しかし戦争に勝つ為にはだ」
 この目的を前にすればというのだ。
「必要とあればな」
「出られますね、戦場に」
「今の様に」
「そうされますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「軍を指揮してだ」
「戦われますね」
「そして勝たれますね」
「そうされますね」
「そうする、まして私は軍服を着ている」
 今実際にそうしている、もっと言えばアッディーンは公の場では常に軍服でありスーツもタキシードも着たことはない。 
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