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神々の塔

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第八十二話 神々の黄昏その二

「国家とな」
「法が必要やね」
「そや」
 まさにというのだ。
「ルールとな」
「そうしたもんが必要やね」
「そして統治システムがな」
「議会に裁判所にやね」
「軍隊に警察にな」
「統治システムやね」
「権力に反対するって言ってや」
 そうしてというのだ。
「そうしたもんを否定したらな」
「とんでもない無法地帯になるし」
「暴力振るう奴が好き勝手する」
「最悪の世界になるね」
「そこでは弱い人はや」
 力を持たない人達はというのだ。
「圧倒的大多数のな」
「暴力に好き放題されて」
「ほんまな」 
 まさにというのだ。
「最悪のや」
「地獄になるね」
「そんなところもあるしな」
 メルヴィルは苦い顔で述べた。
「わし等がこの世界に来るまではな」
「そうなってるとこあったね」
「街や村単位で治まってるならええ」
 それならというのだ。
「まだな、しかしな」
「そこに法も何もなくて」
「ほんまモヒカンがバイクに乗ってな」
 メルヴィルは世紀末な世界を想像して話した。
「暴れ回ってる」
「そうした世界になったら」
「ほんまな」 
 それこそというのだ。
「最悪のや」
「世界になるね」
「権力に反対するからテロや殺人をしてもええ」
 メルヴィルは極めて否定的な口調で述べた。
「そんなこと言うたらな」
「権力、国家や法を否定しても」
「そうしたらな」
「ほんま世紀末な世界になって」
「どうにもならんわ」
「暴力が支配する世の中やね」
「今羅が言った通りのな」
 そうしたというのだ。
「最悪のや」
「世界になって」
「それでな」 
 そうしてというのだ。
「ほんま殆どの人が苦しむ」
「そんな世界になるね」
「そやから人にはや」
「国家とか法が必要やね」
「そうしたもんがないと」 
 それこそというのだ。
「何度も言うけどな」
「最悪の世界になるね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「国家に法律に議会に裁判所に」
「軍隊に警察に」
「官僚システム、当然内閣もな」
「必要やね」
「それは随時変わってくべきやが」
「世の中の変化に応じて」
「そやけどな」
 それでもというのだ。 
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