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夢幻水滸伝

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第三百六十四話 賭けの攻勢その十一

「攻めます」
「それでは」
「今は敵軍の攻撃を防ぎつつ」
「戦っていきましょう」
「そうします」
 こう言ってだ、ヴォネガットは将兵の一人が差し出したコーヒーブリキのカップのそれを飲んで言った。
「こうした時のコーヒーは絶品ですね」
「そうですね」
「実にいい一服です」
「そうなります」
 周りの将兵達もコーヒーを味わいつつ笑顔で応える。
「何でもない様で」
「実に有難いですね」
「こうした時のコーヒーは」
「ほんまに」
 笑顔で言うのだった。
「そうですね、ほなコーヒーも飲んで」
「そうしてですね」
「戦いますね」
「このまま」
「そうしましょう」
 こう言って飲んだ後でまた戦った、ルイスも懸命に戦い勝利を手にせんとしていた。死闘は続いていた。
 デリーロは死闘の中でだ、戦局を見て言った。
「時よ止まれよね」
「そう思われますね」
「最早戦えるのが今日だけなので」
「そうとも」
「ええ、ただ時が止まっても」 
 今言った様にというのだ。
「戦が続けば」
「燃料や弾薬は消費されます」
「それが続きます」
「従って同じです」
「時が止まっても」
「そうなのよね、そうした問題やなくて」 
 時がどうかではなくというのだ。
「大事なんはね」
「勝利ですね」
「勝つことですね」
「敵の戦線を突破し」
「敵軍をこれ以上戦えなくすることですね」
「そやからね」
 だからだというのだ。
「ここはね」
「時が止まろうとも」
「意味はないですね」
「それよりもですね」
「攻める」
「そして膠着状態を打開することですね」
「そうよ、しかしこれだけ攻めても」
 彼はそれでもと言った。
「この状況はね」
「変わらないですね」
「敵の守りは堅固です」
「これだけ攻めても突破出来ません」
「どうも」
「一点を集中的に攻めても」 
 そうしていた、見ればデリーロは敵の戦線の一点に爆撃や砲撃を集中させている。そうしてそこに突撃を仕掛けんとしている。
 そうしてだ、突破せんとするが。
「しかし」
「それでもですね」
「攻撃せんとすればそこから去り」
「別のポイントから反撃に出てきて」
「我々も迎え撃つしかありません」
「そうした状況が続いています」
「相手の采配は柔軟です」
「容易に攻められません」
「そうなのよね、あたし達にしても」
 デリーロは自分達のことも話した。 
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