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夢幻水滸伝

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第三百六十四話 賭けの攻勢その十

「戦場でもな」
「前線に立たれ」
「そうしてですね」
「戦われますね」
「そうするわ、しかし神具を使ってもな」
 そうして多くの敵を倒してもとだ、オニールは敵の陣地を見て眉を曇らせてそのうえでこうも言った。
「こっちの攻撃で空けた穴をな」
「すぐに埋めてきますね」
「瞬時に」
「そうしてきますね」
「見事や、あそこにはヴォネガットがおるが」
 彼が受け持っている戦線だというのだ。
「すぐに動いてな」
「戦線に隙を作らないですね」
「あの方は」
「的確な采配で」
「ああ、戦向きの奴やないが」
 それでもというのだ。
「その采配はな」
「的確ですね」
「実に」
「そう言うしかないですね」
「ほんまな、これは容易には突破出来んな」
 こう言うのだった、そして。
 そのヴォネガットは実際に戦線を見てだ、敵軍の攻撃を防いでいた、そうして。
「隙があればです」
「敵軍にですね」
「その時はですね」
「攻めますね」
「そうしてです」 
 そのうえでとだ、周りの将兵達に話した。
「勝ちます、しかし」
「相手のオニール様もです」
「果敢に攻めて来られて」
「お強いですね」
「オニール君は元々活発で」
 起きた世界でもというのだ。
「そうですさかい」
「それで、ですね」
「中々ですね」
「攻めきれないですね」
「こちらの戦線は崩壊させていませんが」
「それでも」
「攻めるまではです」 
 そこまではというのだ。
「中々です」
「出来ないですね」
「難しいですね」
「これは」
「やはり私は攻撃向きやなく」
 自分のタイプのこともだ、ヴォネガットは話した。
「戦もです」
「向いていない」
「そうだというのですか」
「ヴォネガット様としては」
「前から思っていましたが」
 浮かない顔で言うのだった。
「今も思います、しかし」
「はい、前向きです」
「やらねばならぬ時もあります」
「人は向いていないと思っていても」
「やらねばならないその時もあります」
「そうですね、まして今は皆さんの命を預かっています」
 ヴォネガットは将兵隊の言葉に顔を上げて応えた。
「そうですさかい」
「ここはです」
「宜しくお願いします」
「攻めていって下さい」
「そうして下さい」
「戦もお願いします」
「そうします、敵軍に隙があれば」
 まさにというのだ。 
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