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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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魔貫光殺砲

 
前書き
未来悟飯が魔貫光殺砲使えるなら多分悟空が死んだ辺りだろうな 

 
悟林はサイヤ人との闘いに備えてピッコロから教わった魔閃光と魔貫光殺砲の練度を上げるために気の練り方や一点集中に気を付けながら技を撃っていた。

魔閃光はかめはめ波に比べれば威力は低いが溜めの時間が少ないために即座に撃てるために追撃に向いている。

かめはめ波は魔閃光よりも溜めの時間は要るが、相応の威力を持っている。

魔貫光殺砲はかめはめ波よりも遥かに気の溜めに時間がかかるが、威力は伯父であるラディッツを殺したことから遥か格上に通用する大技だ。

悟飯は簡単な気功波である魔閃光を使いこなせるようになっており、しばらくして2人はピッコロから実戦で使えるかどうかの最終チェックを受けていた。

「両手を額の前に、全身の気を額を通して手に集める。」

ピッコロの説明に2人は言われた通りに両手を額の前に移動させて構え、全身の気を額を通して手のひらに集めていく。

「そうだ。前方に放つ時は目を逸らすな…撃てっ!!」

「「魔閃光ーーーっ!!」」

両手を前方に伸ばして放った気功波は真っ直ぐ大岩に向かっていき、粉々に粉砕した。

「やったっ!」

「どう?ピッコロさん?」

「悪くはない。良いか、これが“魔閃光”だ。気を一点集中して放つ技だ。威力は孫悟空の使うかめはめ波に劣るがすぐに撃てるのがこの技の強みだ」

悟飯と悟林の魔閃光の完成度に満足したピッコロは次に悟林の方を見る。

「お前に教えたもう1つの技はどうなっている?」

「大丈夫!今見せてあげるよピッコロさん!」

悟林は2本の指を額に当てて指先に気を集中させていく。

そして指先に全ての気を集中させて放つ。

「行っけーーーっ!!」

螺旋を伴った気功波は大岩を貫通し、そのまま後方の岩を砕いていった。

「す、凄いや…」

「…今の技が魔貫光殺砲……あの時のサイヤ人を倒した技だ」

魔貫光殺砲の威力は悟飯の脳裏に深く刻み込まれた。

そして、悟飯にしては珍しく使ってみたい欲求が湧いてきて悟林と同じ体勢になる。

「何をしている?」

「そんなに強い技なら僕も使えるようにって思って…」

「素人の貴様に使えるような技じゃない!無駄な時間を使うな!」

悟飯には確かに才能はあるのだが、少し前まで気の扱いどころか体の使い方すら出来ていなかったのだ。

魔貫光殺砲のような高度な気のコントロールを必要とする魔貫光殺砲は今の悟飯には厳しいだろう。

「まあ、サイヤ人を倒したら教えてあげるよ」

珍しく積極的な面を見せた悟飯に悟林がサイヤ人との闘いが終わったら魔貫光殺砲の使い方を教えてやると言ってくれたが、後にナメック星のことやフリーザ、人造人間のこともあって悟林は自分の戦闘力向上に目が行くようになって約束をすっかりと忘れ去っていた。

精神と時の部屋でセルとの闘いに備えての修行で未来悟飯との組み手の終わりに未来悟飯が見せてくれたのだ。

「かめはめ波ーーーっ!!」

「うわっ!?」

強力な気功波を慌ててかわすが、未来悟飯はその隙を見逃さずに蹴り飛ばして吹き飛んだ悟飯を組んだ拳を叩き込んで地面に叩き付けると追撃の魔閃光を浴びせて悟飯をダウンさせた。

何とか肩で息をしながら立ち上がり、全然余裕がある未来悟飯が腕組みをしながら笑った。

「何だもうバテたのか?」

「す、すみません…まだこの部屋に慣れなくて…」

「はは、まあ確かにこの部屋は気温の変化が激しいし、重力も凄い上に空気も薄いしな」

「み、未来の僕は何ともないんですか?」

自分は未だにこの部屋の環境に振り回されているのに未来悟飯は平然としている。

「もう慣れたよ。寧ろこの部屋は時間の流れが違うから…何時、人造人間に襲われるか分からなかった未来の世界よりはずっとマシさ」

何時人々を襲う人造人間が現れるのか分からず、修行する時も逃げるための余力を考えなければならず、ずっと気を張り詰めていた未来の世界と比べればこの部屋は敵の襲撃に悩まされなくて済む分、遥かにマシと言える。

それを聞いた悟飯は未来悟飯が過酷な人生を送っていたのを改めて理解した。

父親は心臓病で死に、仲間も姉も人造人間に殺されて、ほとんど頼れる者もおらず必死に闘ってきたのだ。

もし、自分が未来悟飯のような立場になったら同じように闘い続けられるのかと悩んでしまう。

「さて、もう少し組み手を…その様子じゃ大分しんどそうだな、よし休憩にしよう。」

「だ、大丈夫です。まだやれます」

「慌てなくて良い、無理して体を壊したらその分修行が出来なくなってしまう。それに適度な休憩を取るのも修行のうちだぞ」

「……」

「納得してないな?まあ、俺も気持ちは分かるよ。姉さんに鍛えてもらっていた頃、休む時間さえ惜しくて無理して修行をしたら体を壊して姉さんや母さん達から凄く怒られたよ。これに関しては様子を見に来てくれた亀仙人様からも厳しく言われたよ。無理をして体を痛め付けるのは修行なんかじゃないってね」

「そうだったんですか」

少しでも強くなって人造人間を倒したい気持ちが先走り過ぎて自分の限界を理解していなかった未来悟飯は体を壊してたくさんの人に迷惑をかけてしまった。

「だから頑張るのは良いけど適度に体を休めないとな。体作りのためにも良いし…よし、俺がピッコロさんから伝授してもらった技を見せてやろうかな?多分、父さんが生きてるし、姉さんも忘れてるから教えられてないんじゃないか?」

「え?」

未来悟飯は額に2本の指を当てて指に気を集中させていく。

それは姉から教えてやると言われてすっかり忘れ去られていたピッコロの必殺技。

「魔貫光殺砲ーーーっ!!」

指先から放たれた気功波に悟飯は目を見開いた。

「魔貫光殺砲だ…っ!」

「父さんが死んで、落ち込んでいた俺を励ますためにピッコロさんが教えてくれたんだ。」

これが自分の世界でのピッコロとの最後の修行になってしまった。

「す、凄い…」

「昔の俺もこれを使いたかったから君も使いたかったんじゃないか?もう少しこの部屋に慣れたら教えてやるよ。だから頑張ろう、過去の俺」

「は、はい!未来の僕!」

悟飯も使ってみたかった尊敬する師匠の必殺技を教えてくれる未来悟飯に笑みを浮かべながら休憩に入ったのであった。

そして下界でのんびりとしていた悟林は軽く体を動かしていたが、あることを今更思い出していた。

「そう言えば私、サイヤ人との闘いが終わったら魔貫光殺砲を教える約束してたっけ……まあいいや、今でなくても」

思い出したが、どうせ平和になれば修行しなくなるだろうから教えなくてもいいと判断して悟林は早速、魔貫光殺砲の調整を始めるのであった。

「うーん、やっぱりこの技は気のコントロールを極めた方が良いかもね。界王拳はこう言う時に便利だ」

悟林は座って界王拳の倍率を急変動させながら発動を繰り返していく。

少しの乱れもない発動の繰り返しは見守っていた悟空も感心した。

流石に悟空も悟林ほど器用ではないので瞑想をして気を練っていき、セルゲームのために体を休ませながらの修行をしていた。

伸び盛りであるとは言え、凄まじい成長を見せる娘に悟空は少しの悔しさを感じながら誇らしかった。 
 

 
後書き
悟林にとって魔貫光殺砲は悟空のかめはめ波みたいなもんです。 
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