| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百六十三話 時は止まらないその十七

「そしてわいはわいや」
「だからですか」
「別にな」
「羨ましくはないですか」
「そや」 
 こう言うのだった。
「特にな」
「そうなのですね」
「ああ、ただわいも彼女さん欲しいと思う時はな」
「おありですね」
「結構な、起きた世界でも縁なしで」
 このことは星の者の殆どが同じである。
「こっちの世界でもな」
「そうであることは」
「考えてみたら寂しい、異世界ハーレムとかな」
 そうしたものはというと。
「わい等には無縁や」
「よく日本の創作である様な」
「それはないわ」
 こうしたことを言うのだった、そうした話をしつつトウェインは自分のテントに戻った。この時メルヴィルも同じことを自軍の野営地の中でグリフォンに言っていた。
「結婚したいと思ってな」
「お相手がおられないですね」
「縁がない、ついでに時間もや」
 夜空の星達を見上げつつ憮然として言っていた。
「なくてな」
「それで、ですね」
「ほんまな」
 何と言ってもというのだ。
「なくてな」
「今も独身ですね」
「この世界に来て結構な時間を経て」 
 そうしてというのだ。
「今はお金もあって家もな」
「ありますね」
「仕事もある」
「それでもですね」
「相手はな」
「おられないですね」
「しかも時間もなくて」
「ご縁もですね」
「そもそものな、そしてな」 
 それでというのだった。
「他の星のモンもな」
「同じですね」
「フォークナーは起きた相手にフィアンセがおってもな」
 それでもというのだ。
「わし等の殆どは起きた世界でもな」
「お相手がおられないですか」
「ほんまほぼ全員な」
 まさにというのだ。
「おらんわ、充実した日々を送っていても」
「恋愛については」
「無縁でな」
「こちらの世界でも同じだと」
「そや、それでや」
 そうであってというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧