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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその四

「働かない何もしないで人のお家に急に上がり込んで」
「新一君の叔父さんね」
「叔父さんの一人ですが」
「その人みたいになりたくないのね」
「絶対に」
 やっぱり強い言葉でした。
「それで図々しくも厚かましくも尊大にもです」
「なりたくないのね」
「絶対に」
 こう言うのでした、それも強く。
「何があっても」
「新一君にとってその叔父さんがどんな存在かわかるわ」
「全否定してますからね」
「そうよね」
「兎に角です」 
 その親戚の人はというのです。
「どうにもならない人でして」
「その人がなにもしないでなの」
「お昼の二時位にうちに今日行くって言ってきて」 
 新一君のお家にです。
「お邪魔しますも言わないでふんぞり返って尊大な笑顔で来て」
「大飯喰らうっていうのね」
「そうなんですよ」
「それでお風呂入って一泊して」
「朝も大飯喰らって」
「お祖母さんが甘やかしてお金あげてるのよね」
「それ貰いに来てるんですよ」
 そうだというのです。
「勿論教会に来てもです」
「大飯で?」
「お布施しないで自分が吸う煙草はいいそうで」
「それで新一君も嫌いなのね」
「本貸せとかと言って」
 今度はこちらのお話でした。 
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