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夢幻水滸伝

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第三百六十三話 時は止まらないその十一

「その連中と戦っていてな」
「膠着していますね」
「並の敵やとな」
「既に勝っていますね」
「四倍五倍の敵でもや」
 それだけの大軍と戦おうともというのだ。
「わしは勝てるが」
「それは並の敵の場合はですね」
「そや、しかしな」
「トウェイン様達がお相手ですと」
「この通りや」
 まさにというのだ。
「全くや」
「優勢に立てないですね」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「ほんま強いわ」
「左様ですね」
 グリフォンもまさにと応えた。
「この状況を見ると」
「そう言うしかないな」
「はい」
 まさにというのだ。
「そう思います」
「そやな、しかしな」
「諦めないですね」
「この三日で何とかな」
「敵の隙を見付けて」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「攻めるで」
「そうされますね」
「そや、このまま状況が動かんか」
 陸地での激しい戦を見下ろす形で見つつだ、メルヴィルは言った。
「可能性はある」
「動く可能性は」
「そやからな」
「ここは待ちますね」
「戦いつつな、ええな」
「それでは」
 グリフォンは主の言葉に頷いた、そうしてだった。
 主を乗せたまま戦場に留まった、両軍激しく戦う状態が続きこの日も終わった、トウェインは夜になると言った。
「今日も全員へとへとやな」
「そうなるまで戦いましたね」
 傍に立っているサンダーバードが応えた。
「今日も」
「ああ、人は疲れる」
 トウェインは夕食のステーキの味を思い出しつつ話した。
「どうしてもな」
「それ故にずっと戦えないですね」
「干戈を交えてもな」
 そうしてもというのだ。
「二十四時間とかな」
「無理ですね」
「絶対にな」
 それこそというのだ。
「出来ん、そやからこの戦は両軍日の出と共に戦をはじめて」
「日没と共にですね」
「終わってるわ」
「そうですね」
「限界やからな」
「戦うにしても日没までが」
「二十四時間はな」
 それこそというのだ。
「限度や」
「そうですね」
「夜襲は警戒してるが」
 敵軍からのそれはというのだ。 
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