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夢幻水滸伝

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第三百六十三話 時は止まらないその八

「ほんまに」
「その通りやな」
「はい、それでは」
「お互い戦っていこな」
「そうしましょう」
 こう話してだった。
 暫く一騎打ちを行った、だがそれぞれの報を受けてだった。まずはルイスがスタインベックに対して言った。
「名残惜しいですが」
「お互いにな」
「一事のお別れの時が来ましたね」
「忙しくてな」
「はい、それではまた」
「会おうな」 
 スタインベックも言った。
「そうしよな」
「次の機会に」
「そういうことでな」
 こう話してだった。
 二人は別れた、ルイスは報を行ったシルキーの士官の前に術で来てそのうえで詳細を聞いて指示を出した。
「こうして下さい」
「わかりました」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「敵を迎え撃って下さい」
「それでは」
「そしてです」
「戦います」
「貴方も行かれますね」
「はい」
 士官は強い声で答えた。
「これより戦場に赴き」
「お願いします、武勲をあげれば」
 そうすればというのだった。
「必ずです」
「報われますね」
「そうなので」
 だからだというのだ。
「お願いします」
「わかりました」
 士官はルイスに敬礼で応えた。
「それでは」
「はい、では共に戦いましょう」
「このまま」
 士官はすぐに自身の場所に戻った、そうしてそのうえで戦うのだった。彼は重傷を負っても功績をあげた。
 両軍は戦う、そのメルヴィルは空から采配を執りつつ乗っているグリフォンに対して苦い顔で述べた。
「ほんま膠着してな」
「戦が進まないですね」
「そや、あれこれ攻めてもな」
「戦局は変わらないですね」
「膠着しきって」
 そうした状況でというのだ。
「ほんまな」
「変わらないですね」
「どうしたものか」
「そうですね、策を仕掛けても」
「それを見破られてな」
「無効化されていますね」
「奇襲を仕掛けんとしてもな」
 そうしてもというのだ。
「その都度な」
「トウェイン様達はすぐに動かれ」
「こっちが仕掛ける前にな」
「失敗すると見せてきますね」
「そや」
 まさにというのだ。 
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