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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその二十三

「それが察せられるのもだ」
「名将であり」
「シャイターン主席だ」
 彼もというのだ。
「そして私もだ」
「そのことがですね」
「わかる、見えるのだ」
 まさにというのだ。
「彼に潜水艦を用いてもな」
「破られることが」
「潜水艦は確かに隠密行動に優れていてだ」
 そうしてというのだ。
「奇襲そして極秘の紹介や護衛にもな」
「使えますね」
「そうだが」
 しかしというのだ。
「速度は遅く防御力もな」
「低いですね」
「駆逐艦や護衛艦よりもな」
 さらにというのだ、防御力が弱いとされているそうした艦艇よりも。
「そして攻撃力もな」
「実は限られた数の魚雷のみで」
「それでだ」
 どうしてもというのだ。
「見付かるとだ」
「どうにもならないですね」
「撃沈されるだけだ」
 アッディーンはこの言葉を苦い顔で出した。
「その時はな」
「それが現実ですね」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「私もだ」
「見破られることが一目瞭然なら」
「使わない、無駄な損害を出してだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「倍返しですね」
「そうなるからな」
「では」
「再び正面から殴り合いになってもだ」 
 消耗戦になってもというのだ。
「使う訳にはな」
「いかないですか」
「破られるとわかっている策は用いない」
 決してというのだ。
「それも鉄則だな」
「はい、戦争の」
 シンダントも答えた。
「あえてそうしてそれが陽動であり」
「次の策がありな」
「それが手なら別ですが」
「そうでなく無闇に使うならな」
「愚策でしかないですね」
「そして私はだ」
 アッディーンはというのだ。
「そうしたことはだ」
「されないですね」
「そうだ、だからだ」
「次の戦いでは」
「潜水艦は用いない」
 シャイターンとの三度目の直接対決でもというのだ。
「そうしたい、しかし」
「しかしといいますと」
「各軍司令官に伝えるのだ」
 彼等にはというのだ。 
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