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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその二十

「そうなっています、ですが」
「それでもですね」
「他の作業も重要で」
 軍港以外もというのだ。
「そしてです」
「軍港も」
「後で遅れを取り戻しましょう」
「やはりそうなりますね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「今は仕方ないです」
「軍港のことは」
「どうしても」
 苦い顔でのやり取りだった、二人共そうしていた。オムダーマン軍は全軍で星系の基地化にあたっていた。
 ダビデブはハラスと軍港の話をした後でだった、今度は星系全体を確認してそのうえで自分の幕僚達に言った。
「この星系は人口は少ないな」
「はい、一般市民はですね」
「確かに少ないですね」
「人口希薄です」
「そうした星系ですね」
「そうだな、だがこうして基地化を進めてな」
 そうしてとだ、ダビデブは幕僚達に話した。
「軍人が常に多くいる様になれば」
「そうなればですね」
「一般市民も増えますね」
「軍人の家族に」
「そして軍人相手の商売をする店も増え」
「そうしてですね」
「人も多くなる、軍事都市もだ」
 こうした街もというのだ。
「それなりに大きな街になる」
「左様ですね」
「それではですね」
「この街はこれからですね」
「大きな街になりますね」
「そうなる筈だ、だからだ」 
 それ故にというのだ。
「この星系もな」
「これからは栄えますね」
「これよりは」
「そうなっていきますね」
「間違いなく」
「だが」 
 それでもとだ、ダビデブは言った。
「これまでこの星系はサマルカンドと特に関係なかった」
「ティムールの首都星系とですね」
「言うなら単なる通過ポイントであり」
「戦略上の要地でなかった」
「だから基地化もされていなかったですね」
「そうでしたね」
「だが今ここでこれからの戦いの足掛かりとなった」
 拠点になったというのだ。
「なら今後はサハラ北方全体の守りの要にもだ」
「なりますか」
「サマルカンドと共に」
「そうもなりますか」
「アッディーン閣下もそうお考えだ」
 一時的な基地化ではないというのだ。
「その様にな、だからな」
「これからはですか」
「この星系は栄えますか」
「そうなりますか」
「必ずな、そうしたことを見るのもな」
 それもというのだ。
「軍人としてだ」
「必要ですね」
「政治的なことを理解することも」
「そうだ」
 こう幕僚達に言うのだった。 
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