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ハッピークローバー

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第百四十話 ささやかなご馳走その十

「そのうえでね」
「皆元気が出るからね」
「だからね」
 それでというのだ。
「巨人が負けるとね」
「そのこと自体がいいことよね」
「阪神が優勝したらフィーバーになって」
 文字通りのそれにだ。
「皆元気になって景気にも影響するけれど」
「特に大阪がね」
「阪神百貨店もバーゲンになって」
「いいけれど」
 それでもというのだ。
「本当に巨人が優勝しても」
「何もないわね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「巨人は負けるべきね」
「世のため人の為ひいてはね」
 伊東はさらに言った。
「世界の為にね」
「日本が元気が出たら」
「大国の日本がね」
「そうなったらね」
 それならというのだ。
「世界経済にもいい影響与えるし」
「いいことよね」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「巨人は負けるべきだよ」
「日本のアンチ巨人に元気を与える為に」
「元気があればお勉強もお仕事も頑張れるし」
「遊ぶのだってね」
「遊ぶとね」
 伊東は否定されがちなその行為についても話した、遊ぶことは罪悪だという考えは人の世に倫理として広くあるのも事実であろう。
「おもちゃ売れたりレジャー施設に人が入って」
「いいのよね」
「その分お金が動くから」
「いいわよね」
「趣味や娯楽がないと」
 そうした世の中はというのだ。
「その分お金が動かなくて」
「経済によくないわね」
「そうだよ、だから遊びにも元気が出たら」
 そうなればというのだ。
「その分ね」
「いいことよね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「遊ぶこともよくて」
「元気も必要ね」
「そうだよ、最近夜の報道番組も視聴率落ちてるし」
「ああ、あれね」
 夜の報道番組と聞いてだ、留奈は嫌そうに応えた。
「何か毎日嫌なこと言うわよね」
「昔は不況不況ってね」
「毎日言ったのよね」
「病は気からって言うけれど」
「毎日不況とか言われたら」
「もうね」 
 それこそというのだ。
「それだけでだよ」
「嫌な気持ちになって」
「元気が出なくてね」
 それでというのだ。
「景気にも影響するよ」
「そうなるのね」
「それで毎日言ってるキャスターが」
 その輩がというのだ。
「年五億貰ってたんだよ」
「布教言ってる人が」
「毎日ね、その頃日本中が不況と言われていて」 
 主にマスコミが大声で言い募っていた。 
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