星が映る海
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第一章
星が映る海
何度も何度もデートをした、そして遂に都内もっと言えば東京近辺で二人で行っていない場所はなくなっていた。
「いや、流石に中学から三十近くまで付き合っていたら」
「三十で結婚するにしてもね」
サラリーマンの福岡慎吾面長で黒くセットした髪の毛と太い眉に奥二重の切れ長の目と引き締まった薄い唇を持つ一七八程の背の痩せた彼と千葉亜美一六七位の背ですらりとしているが胸は大きく大きな黒目がちの目と大きな唇に茶色がかったロングヘアの彼女はそれぞれの仕事帰りのデートの後で話していた、二人でパブで飲みつつ話していてどちらもスーツ姿だ。亜美のスカートは膝までのタイトである。
「そう決めていて」
「お互いのご家族も知っていてもな」
「いや、十何年付き合って」
「色々な場所デートしたらな」
「東京とその周りはね」
「行ってない場所なくなったな」
「神奈川も千葉も埼玉も行ったわ」
そうした場所もというのだ。
「ペルーナドームもね」
「所沢も行ったな」
「もう何処も行ったわ」
「そうだよな、西武勝ったしよかったな」
二人は西武ファンでこのことはよしとした。
「あそこに行って」
「電車で行ったわね」
「ああ、けれどもう東京の周りでな」
「行ってないこれはって場所なくなったわね」
「色々あるのにな」
東京とその周辺はというのだ。
「流石に十何年、俺達付き合ったの十四でな」
「今二十九でね」
「十五年か、十五年電車を使って行き来したら」
「東京でね」
「バスも使って」
「そうしたら流石にな」
それこそというのだ。
「行く場所もなくなるな」
「デートでね」
「観光名所もデートスポットもな」
「ホテルだってね」
「これはっていうのなくなったな」
「今度何処に行くか困るなんてね」
亜美は慎吾に言った。
「思わなかったね」
「ああ、どうしたものかな」
「何度か行った場所あるしね」
「そうだよな、俺達デートが趣味だしな」
二人の共通の趣味である、慎吾はジム通いが亜美はゲームも趣味であるが共通の趣味はそちらであるのだ。
「生き尽くしたな」
「今度何処行こうかしら」
「よかった場所巡ってくか」
「何度か行った場所もね」
「そうしようか」
こうした話をしてだった。
二人で飲みながらこれからのデートの話をしていった、行き尽くした感はあったがそれでも二人共デートを止めるつもりはなく何度行った場所でもまた行って二度行きもそれにデートには付きものの食べものや酒にも重点を置くことを話した。
とりあえずはそうしていこうと話してだった。
二人でパブを出た、そして橋のところを歩いていたが。
ふろだ、亜美は自分達がいる橋から川の方を見た、すると。
夜の暗闇の川から続いている海を見てにだった、星空がきらきらと煌いていた。東京のネオンが遠くに見えてそのうえでだった。
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