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ボーイズ・バンド・スクリーム

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第3話 胸の鼓動は鳴り止まないっ

 
前書き
こんばんは!鮪です!今晩も張り切っていきましょう〜!(謎の深夜テンション) 

 
「あっ、いっけな〜い!私たち、用事があるの忘れてた!ニーナ行くよっ!桃香さん、白石さん、またね〜!」

「ちょっ?!」

「すばるちゃん、ちょっと待って!あの…お金、置いていきます。白石さん、またゆっくり話しましょう!」

「おいっ!」

すばるはわざとらしく手を叩き、仁菜と一緒にドトールから出行ってしまった。彼女たちは直前に目配せしていたので気を遣われたのだろうと瑞貴は推測する。

「まったく、あいつらは…」

メンバーにいきなり追いていかれて悪態をつく桃香。昔話に花を咲かせたいところだが、瑞貴は桃香に告白したばかりだ。2人の間に、ぎこちない雰囲気が漂う。

「その、なんだ…人見知りなんだ、仁菜のやつ。誤解しないでやってくれ」

「だろうなって思ったよ。俺は大丈夫」

再び無言になる2人。彼氏、彼女であれば甘酸っぱいムードになりそうだが、残念ながら気まずいだけである。

「その…悪かったよ。仁菜に心を開いてもらうためとはいえ、お前に告白なんかして」

「そ、そうだよ!お前、高校の時そんな素振り一度も見せなかっただろ!びっくりしたし、すばるには揶揄われるしで恥ずかしいったら…」

「本当にすまん!3年経って見違えるほど綺麗になったって言うか、河原木が俺なんかのこと覚えてくれてて嬉しくなったっていうか…」

「なっ?!お、お前なあ…そもそも何で私なんだよ?」

ストレートな物言いばかりする瑞貴の言葉に照れ臭くなり、そっぽを向きながら、ぶっきらぼうに言い放つ。

「…グラウンドにライン引いてただろ?『目指せ!!武道館!!』ってさ。他の3人と笑い合ってる姿、教室から眺めてて、なんか…いいなって。気づいたら、お前のこと目で追ってた」

「だっ、だったら別にナナでもリンでもアイでも、いいじゃんか?」

「違う。お前じゃなきゃ駄目なんだ。言っただろ、ダイダス桃香のファンだったって…あの歌にどれだけ救われたか分からないんだ」

「っ…今の私はバイトで食いつないでる売れないバンドマンだぞ?しかも曲の権利だって譲渡しちまったし」

「関係ねぇよ…好きなんだからよ。理由なんて些細なことだろ?俺なんかの告白、迷惑かもしれないけど」

恥ずかしさで胸の鼓動が鳴り止まない。瑞貴は告白の重みを噛み締めていた。一方的な片想い。桃香にとっては迷惑なのかもしれない。だが“きっかけ“をもらったからには伝えないわけにはいかなかった。

「さっきから俺なんかって…お前は自分を卑下しすぎだ。大物演歌歌手の孫。市長の一人息子で、学級委員長で、サッカー部のエースストライカー。おまけにイケメンで成績優秀ときてる。お前を好きな女子なんか、うちのクラスにゴロゴロいたぞ」

「俺が、イケメン?!」

「うわっ、自覚なしかよ…クラスの女子ども、草葉の陰で泣いてるわ」

「そ、そういうもんか…けど参ったな。本命にモテなきゃ意味ねぇんだが」

「バッサリ切りやがった」

「せめて一途と言ってくれ」

桃香は瑞貴の口調が高校時代と少し違うことに気づき、彼にそのことを尋ねる。

「公の場で乱暴な言葉を吐くのはな…ま、お家柄ってやつかな。こっちが本当の俺」

「そっ、そっか…」

市長の息子が乱暴な言動をするのは体裁が悪いのだろうと桃香は納得した。今でこそ思いの丈を打ち明けてはいるが、お互いのことはあまり知らないことに気づく瑞貴と桃香。

「なぁ、その…食べたりないだろ?私たちに気を遣ってさ。私も食べ足りないし、場所を変えて話さないか?」

「バレてたか。うん、そうしよう」

微妙にぎこちない空気の中で元同級生の男女は食欲を満たすために店を移動するのであった。 
 

 
後書き
今思うと瑞貴のイメージCV内山光輝さんでサッカー部のエースストライカーって、ブルー◯ックみたいになってる…まあ若干影響は受けましたが。違う部活にするか迷いましたが、ストーリー上で少し必要になってくるので…その辺はまた書ければと思ってます!それではまた! 
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