金木犀の許嫁
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第三十二話 大阪の野球その九
「残念ですが」
「そうとは限らないですね」
「世の中はです」
「いつもいい思いをするか」
「それはです」
どうしてもというのだ。
「そうとも限りませんが」
「それでもですか」
「雨も後になってです」
「その時は嫌に思っても」
「後でいいものになりますね」
「そうですね、確かに」
夜空もその通りだと頷いた。
「そうなりますね」
「ですから経験としては」
「いつもですね」
「いい経験が出来ます、少なくとも野村さんや寛美さんや織田作さんが歩いた場所を」
そこをというのだ。
「歩くことはです」
「いい経験ですね」
「はい」
幸雄は微笑んで話した、その笑顔は温かいものであり南海の選手達の写真だけではなく四人の家族も見ている。
「それだけでも」
「そうなんですね」
「お笑いの人達もです」
「現役の」
白華が応えた。
「大勢歩いていて」
「普通におられるので」
「そのこともいいですね」
「しかも大阪球場はないですが」
今はというのだ。
「しかし傍に球場があります」
「京セラドームですね」
「あの球場が近くにあるので」
「今も野球選手がですか」
「歩いていたりもします」
「南海でなくても」
「ホークスの選手の人達もです」
福岡に移った彼等もというのだ。
「遠征に来て」
「歩いていたりしますか」
「そうです、ファンの人達ならです」
「わかりますか」
「そうしたことも」
まさにというのだ。
「そうです」
「難波はそうなんですね」
「また繁華街やこのなんばパークスだけでなく」
それに加えてというのだ。
「地下街もありますね」
「虹の街ですね」
「あちらも楽しいので」
そうした場所だからだというのだ。
「是非です」
「行くといいですね」
「戎橋、道頓堀、法善寺、黒門市場に」
「心斎橋もありますね」
「そしてです」
「虹の街もありますね」
「虹の街は新しいですが」
そうした場所だがというのだ。
「道頓堀等はです」
「昔からありますね」
「ですから」
それでというのだ。
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