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ハッピークローバー

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第百四十話 ささやかなご馳走その九

「それってね」
「日本の首都だからね、東京は」
「そのことも嫌だけれど」
「その首都のど真ん中から悪の瘴気放ってるから」
「日本全体に悪いものが来る気がして」
「嫌だね」
「ええ、巨人はね」
 このチームはというと。
「平壌に行って欲しいわね」
「本拠地そっちだね」
「日本じゃなくてね」
「そうだね、東京は移動出来なくても」
「出来たら首都でなくなって欲しいね」
「京都も嫌だけれど」
 この街もというのだ。
「京都の人達さらに威張りそうで」
「首都に戻ったってね」
「そうなっても嫌だけど」
「東京もね」
「首都でなくなって」 
 そうなってというのだ。
「それで巨人もなくなったら」
「いいよね」
「巨人はね」
 この邪悪に満ちたチームはというのだ。
「本当に日本にいて欲しくないわ」
「それも東京のど真ん中にね」
「あそこにいて」
 そうしてというのだ。
「悪の瘴気を放っているから」
「余計に問題なんだよね」
「そうだよ、だからね」
 それ故にというのだ。
「あのチームはね」
「万年最下位のままで」
「本拠地は平壌」
「そうなって欲しいわね」
 留奈は心から思って言った。
「本当に」
「うん。それで昨日負けて」
 伊東はその巨人の試合のことも話に出した。
「今年も百二十敗達成だよ」
「物凄いわね」
「二十年五年連続でね」
「最下位で」
「それでね」
「二十五年連続百二十敗ね」
「そうだよ、それで巨人が弱いと」
 笑顔でだ、伊東は留奈に話した。
「それだけで嬉しいよね」
「元気出るわよね」
「巨人って弱くなったけれど」
 かつての栄光とやらは最早二度と戻らない、そう言われてただひたすら負け続けているのが今の巨人なのだ。
「アンチは多いから」
「むしろどんどん増えてるわね」
「東京ドームでも一塁側はガラガラで」
「数える位しかいなくてね」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「三塁側とか外野はいつも満員だよ」
「そうなのよね」
「それで相手チームの応援をして」
「巨人の負けを喜んでいるわね」
「そんなチームだから」
「負けること自体がいいことよね」
「巨人が負けるのを観て」
 常と言っていいそれをというのだ。
「それでね」
「皆楽しんでね」
「いい気持ちになって」
 そうしてというのだ。 
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