花を贈ること
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第一章
花を贈ること
祖父母からチューリップの鼻を貰ってだ、小学六年生の橋本満はすぐに自分の部屋に飾った。そうしてだった。
赤いその花に毎日水をやった、そうして言うのだった。
「何か悪い気はしないな」
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんからそのお花を貰ってよね」
「ああ、それだけでな」
母で在宅で働いている未可子に答えた、満は警察官である父の建そっくりの長方形の顔に小さな丸い目と薄い唇がある顔で黒髪をスポーツ刈りにしていて痩せていて背が高い。未可子は細主でで大きなはっきりとした二重の目で唇は赤く形がよく鼻が高い。茶色が勝った髪の毛は波がかっていて後ろで束ね一五八程の背ですらりとしている。
「嬉しいな」
「そうよ、お花を貰って悪い気はしないのよ」
母は自分の部屋の窓のところに蜂ごと花を飾っている息子に話した。
「だからあんたもね」
「プレゼントにはか」
「お花を贈るといいわよ」
「そうなんだな」
「よく女の子に告白する時に贈るけれど」
「その時だけじゃないか」
「そう、誰でもどんな時でもね」
それこそというのだ。
「お花贈られるとね」
「悪い気はしないんだな」
「そうよ」
まさにというのだ。
「だからね」
「俺もお花贈るといいか」
「そうしたらいいわ」
「そうするよ」
母にチューリップを見つつ答えた、そうしてだった。
彼は人にプレゼントをする時は花を選ぶ様になった、他のものも一緒に贈ることも多かったが絶対にだった。
花は欠かさなかった、その時に贈るべき花だったりその人が好きな花をわざわざ調べてから贈った。するとだった。
彼は自然と好かれる様になった、それで大学生の時に母に言った。
「俺皆から好かれてるけれど」
「気遣いできて気配りもできるからでしょ」
「それだけかな」
「ええ、、そうした人になったからよ」
母は息子に笑顔で話した。
「だからよ」
「好かれるんだ」
「あんたプレゼントにお花贈るわね」
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんにチューリップ貰ってから」
それからだと答えた。
「そうしてるよ」
「お母さんにも言われてね」
「人が喜ぶっていうから」
「人が喜ぶ様にプレゼントしようと思って」
「お花贈るとか」
「その時に相応しいお花を贈ろうとかね」
母はさらに話した。
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