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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその四

「生ものとここまで合うとは」
「まるで魔法ですね」
「ここまで美味しいとは」
「いや、脱帽しますね」
「今我々は実際に帽子を脱いでいますが」
 軍人は着帽が基本だが室内では絶対に脱ぐ、今彼等はパーティーの場即ち室内にいるので帽子を脱いでいるのだ。
「心でそうなりますね」
「ついつい」
「この美味しさですと」
「そうなりますね」
「何でも給養員の中でも」
 軍の調理を担当している職種の中でもというのだ。
「和食に秀でた者が作っているとか」
「このメニューをですか」
「そうなのですか」
「ではお寿司もですね」
「こちらも」
「お寿司は確か」
 ここでこうした言葉が出た。
「非常に難しい料理でしたね」
「そう、お茶で三年で」
「お寿司のご飯を炊くのに三年で」
「そして握るのに三年ですね」
「合わせて九年かかる」
「そこまでの年季が必要といいますね」
「お寿司だけに」
「そう言われていますが」
 このことはこの時代でも変わらない。
「ですがここでは日本の寿司専門の給養員がいて」
「そしてですか」
「その給養員が握ったのですね」
「そうなのですね」
「そうの様です」
 まさにというのだ。
「そこまでしてくれたそうです」
「流石日本ですね」
「その用意は半端ではありませんね」
「仕込みが尋常ではありません」
「あの国はいつもそこから違いますな」
「流石と言うしかないですね」
「まことに」
 今度は日本への賞賛の言葉が出た。
「ただ大国であるだけではない」
「そうしてもてなしも出来る」
「それを全てわかっている」
「そうした国ですね」
「他の国とは一味違いますね」
「こうしたところも」
「いや、我々から見ても」
 同じ連合にある国々の人間から見てもというのである。
「日本はこうしたところが凄いですね」
「恐ろしいもてなしです」
「他の国に唸らせる仕込み」
「そして気配り」
「ただ国力があるだけではない」
「そうした国ですね」
「お寿司は普通にです」
 その寿司を見る、鮪にトロにハマチ、鮭に蛸に海老もある。そして握り寿司だけでなく巻き寿司も存在している。
 その寿司達を見ながらさらに話した。 
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