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夢幻水滸伝

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第三百六十二話 戦のタイムリミットその五

「高射砲は高空から爆撃して来る爆撃機に向けててな」
「余裕があらへんです」
「そやからな」
 そうした状況だからだというのだ。
「とてもな」
「戦闘機で敵の戦車を攻撃することは」
「無理や、そしてそれはな」
 トウェインはさらに言った。
「敵も同じや」
「お互いですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「今はですね」
「とてもな」
 それこそというのだ。
「お互いな」
「このまま戦うしかないですね」
「戦力がほんま互角や、そうした状況がな」
 トウェインは空を見上げたまま苦い顔になった、そのうえでオコナーに話した。
「一番厄介や」
「迂闊に仕掛けられへんので」
「相手の隙があるかどうか常に見てな」
 敵軍をというのだ。
「そしてや」
「こちらの隙は見せへん」
「そうしなあかんからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「厄介ですね」
「優勢でも劣勢でもな」
 そのどちらでもというのだ。
「むしろや」
「完全に互角の状況より楽ですね」
「そのまま押し潰せるからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「楽ですね」
「互角の状況よりもな」
「互角ですと」
「プレッシャーが半端ないわ」
 そうだというのだ。
「冗談抜きにこっちがミスしたらな」
「そこに隙が生じて」
「一気に攻められるさかいな」 
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「あきませんね」
「そや」
 まさにというのだ。
「それでや」
「互角、膠着状態こそがですね」
「問題でな」 
 そうであってというのだ。
「ほんまな」
「厄介ですね」
「ああ、しかしな」 
 それでもとだ、トウェインはオコナーに言った。
「それでも戦わんとあかん」
「戦なら」
「厄介やと思ってもな」
 そうであってもというのだ。
「それでもや」
「戦ってそして」
「勝たなあかん」
「そうですね」
「そやからな」
「今は戦いますね」
「現状を受け入れてな」 
 膠着、即ち互角の状況でもというのだ。 
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