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小柄なパワーヒッター

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第二章

 門田を観てだ、二人は話した。
「門田小さいですね」
「噂は聞いてたけれどな」
「はい、南海時代も何度か観ましたが」
「平和台でな」
「その時は相手で然程観なかったですが」
「どっちかっていうと野村さんだったな」
「はい、野村克也さんは一七八位で」
 彼の背はというのだ。
「結構あったんで」
「小さくなかったな」
「けれど味方になった門田観ますと」
「小さいな」
「一七〇位ですね」
「プロ野球選手としては小さいな」
「そうですよね、けれど」 
 田中はそれでもと言った。
「門田は打ちますからね」
「ああ、パワーヒッターでな」
「凄いですよね」
「昔観た中西もだったな」
 荒岩、今は常務となっている彼は部長になっている田中に話した。
「小さくてもな」
「パワーヒッターになれますね」
「腕っぷしとかスイングとか腰の使い方でな」
「そうですよね」
「そこはそれぞれだな、体格は大事でもな」
 このことは事実だがというのだ。
「小柄でもな」
「パワーヒッターになれますね」
「そうだよ、だから野球は面白いな」
 荒岩は笑ってこうも言った。
「小柄でもパワーヒッターになれる」
「そうしたこともあるんで」
「面白いな、じゃあ今日もな」
「地元のチーム応援しましょう」
「まさかそれがホークスになるなんて思わなかったけれどな」
「それでもですね」
「ああ、応援しような」
「地元のチームを」
 二人でこう話してだった。
 一緒に試合を観た、門田はその試合でもパワーを発揮した。小柄でもそれでもそのパワーは確かなもので二人もそれを観て笑顔になった。


小柄なパワーヒッター   完


                    2024・8・24 
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