| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

現実世界は理不尽に満ちている!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第76話「4号ことダークネス・ブリリアンスという女は、この時を待っていた」

 
前書き
ネオ・代表05−1です。第76話「4号ことダークネス・ブリリアンスという女は、この時を待っていた」となります。
どうぞ、ご覧ください。自信作でございます。 

 
 遂に宇宙戦艦ヤマトは、女神テレサが座する伝説の惑星―――テレザートが存在する星系に到達した。

 これまで〈ヤマト〉は、思いもよらない障害に遭遇し続けた。

 太陽系を脱した後、テレザートの推定位置までの航路に存在する惑星シュトラバーゼで、避難民をガミラス定期便に渡して航路に戻れて一安心!…とはならず、反ガミラス統治破壊解放軍と名乗るハチャメチャ迷惑な集団が襲来。
 そんな最中、アケーリアス文明調査団の一人―――レドランズ教授が行方をくらます。〈ヤマト〉は艦長代理こと古代進と、レドランズ教授の助手―――桂木透子に捜索を命じた。本来であれば古代進だけで向かう筈であったが、桂木透子が「一緒に連れてって欲しい」と懇願したため、共に行く事となった。

 そんな最中、敵はただ眺めている訳ではなかった。ゼルグート級以下の解放軍艦はミサイルや魚雷を中心とした武装で、〈ヤマト〉とガミラス定期便を襲った。高みの見物が如くその場から動かずに、だ。

 〈ヤマト〉は避難民を全て搭乗させることが無事に出来て、見事にガミラス定期便を守りきった。そう、〈ヤマト〉自ら囮となり、全ての反ガミラス統治破壊解放軍を撃滅することに成功したのだ。なお、ゼルグート級に座乗していた老年の敵指揮官は「裁きをォォオー!!」と連発したそう。
 その際である。なんと、ガミラスの巨大爆弾―――「惑星間弾道弾」を使用したのだ。なぜ正規軍でもない解放軍が「惑星間弾道弾」を所有しているのか、〈ヤマト〉はそうだが、特にガミラス定期便は驚きを隠せず皆目検討もつかなかった。

 漆黒の「惑星間弾道弾」は直径が940以上、全長が1500mを超える大きさ。その数は複数。彼らの反応は無理はなかった。
 
 さて、だ。
 レドランズ教授についてである。

 捜索場所は遺跡。
 案の定、というべきか。レドランズ教授は、そこにいた。
 そこで、古代進は緊張を走らせた。それは、後に報告を受けたヤマトのクルー達も同じであった。

 なんと彼がガトランティスにより諜報員化されていたことが判明し、乗組員らに緊張を走らせたである。その諜報員は自らの「大帝ズォーダー」と名乗ったことから、”諜報員化”された人物は皆「大帝ズォーダー」の”目”となるのではと推測される。

 「大帝ズォーダー」より「悪魔の選択」を提示された古代は、どうすればいいのかと葛藤した。それもその筈だ。1隻しか選ばせないと提示されたのだ。ましてや、自分が愛する女性―――森雪がどれかのガミラス艦に乗っている。

 そう。
 「悪魔の選択」とは、森雪が乗っているガミラス艦を選ぶことにあるのだ。そして、そのどのガミラス艦には諜報員化された「蘇生体」なる存在が紛れ込んでいた。古代がどれかを選ばなかったら最後、ガミラス定期便すべてが沈むハメとなる。

 葛藤は、それだけではない。
 軍人としての自分を優先か、森雪のみを優先か。トロッコ問題のようなものである。

 その時である。
 ガミラスの船外服を着用した森雪が、ガミラス艦の後部甲板に立っていたのだ。

 ヘルメットを外した森雪は古代へ微笑んだ後、上空一万メートル以上の高度からそっと身を任せた。宙を舞い、風に流され、乱流に弄ばれながら、地表に落ちていく。

 自分なんかの為に…ッ。
 目を見開く古代は涙を流すと、ガトランティスの王に強く返答した。―――選ばない!、と。古代はスロットルを全開にし森雪のもとへ向かうと、気絶している彼女を抱き寄せた。

 ルールに変更はないと怒る「大帝ズォーダー」は「蘇生体」を使い、ガミラス艦の機関部を「蘇生体」で以って爆破、ガミラス艦は機関が停止、惑星の崩壊に巻き込まれてしまいそうになった。

 最も、惑星の崩壊に巻き込まれなかった。
 ガミラス定期便は無事で、古代と森雪も無事。

 無事なのは何故か。
 それは〈ヤマト〉が、惑星シュトラバーゼの内核コアに波動砲を撃ったからである。

 波動砲は星を、たった一撃で死に至らせる兵器だ。しかし、それを撃たられた惑星シュトラバーゼは死ななかった。
 それは何故かというと、消失したからである。隣接次元へ質量を転移していた「裂け目」を塞ぎ、そこへ波動砲で以って惑星規模のエネルギーを投入したからこそ、質量転移の許容値を超えた果てに消失したのだ。その結果が等価として、惑星シュトラバーゼを消失するに至った。

 こうして、一行はシュトラバーゼ宙域を後にする。

 続いて、人への催眠効果があるばかりか波動エンジンに悪影響を与える、"宇宙蛍"が艦内に侵入するアクシデントが発生。
 一時はあわやと言うところまで行ったが、キーマン中尉の協力により難を逃れることに成功した。

 その後、惑星テレザートから特殊エネルギー波でのメッセージ通信が〈ヤマト〉にもたらされたのだが、程なくガトランティス艦隊と思われる敵の急襲を受け、ワープしたところ波動機関を暴走させる特性を持つ異空間に転移してしまい、待ち伏せていた敵の猛攻を受ける。

 空間内に存在したアーケリアスが創ったと思われる円筒状構造物に逃れこんだ〈ヤマト〉は、再度ワープを実施し辛くも窮地を凌いだ。

 更に、だ。

 藤堂統括長官から敵の拠点と思われる白色彗星への接近と偵察を命じられたが、逆に白色彗星が突如としてワープしたことにより〈ヤマト〉の眼前へ出現、超重力で〈ヤマト〉を引きずり込み、破壊せんとしてきた。

 同時刻、桂木透子が敵のスパイと判明し、キーマン中尉と保安部そして空間騎兵隊によって拘束。〈ヤマト〉はどういうわけか攻撃が停止された隙を衝くと、白色彗星からの脱出に成功する。

 同時に、だ。
 彗星内部に列を為すカラクルム級戦闘艦以下の千万隻もの大艦隊、多数の惑星を確認した。その重要情報は、即座に司令部へ伝達される。

 こうして、だ。

 白色彗星は、帝星ガトランティスの本拠地と断定された。

 イスカンダル航海に勝るとも劣らない苦難を乗り越えつつ、宇宙戦艦ヤマトは目的地である惑星テレザート、伝説の女神テレサの元に到達しようとしていた。

 そして現在、宇宙戦艦ヤマトは作戦を実行した。

 とはいうものの、だ。
 
 どういうわけか敵がいなく、その敵が全て撃破されているではないか。直掩艦隊も、ミサイル艦隊も、地上戦力も。
 敵の反応を入念に探したものの、反応はゼロ。空間騎兵隊と航空隊の目でも、そうであった。

 いったい何があったんだという気持ちを胸に抱きながらも、作戦が実行される。

 ―――封印岩盤破壊するぞ作戦、である。

 最も封印岩盤は、元々破壊が決定されていた。
 作戦は、真田が指揮を執った。その際、”とある兵器”が使用される。こんなこともあろうかと、である。

 それは解放寸前の余剰次元を内部に置いた一種の超小型波動機関で、真田が開発した爆弾―――波動掘削弾である。
 この兵器は、《艦内工場》で開発されたものである。

 波動掘削弾を指定ポイントに配置させた、真田。

 そして、安全圏へ移った〈ヤマト〉からのコントロールにより起爆された。

 威力が最大限に増幅される最適化された位置へ投下された掘削弾は、爆発時に衝撃波を岩盤全土へ放出。衝撃波は互いにぶつかっては合わさり、威力を増して岩盤を蝕んだ。

 封印岩盤は接合を解かれ、バラバラとなり、岩盤はただの岩塊へと変ずる。

 封印岩盤はテレザート星からの斤力を受けており、岩盤が崩壊するや、残骸は一挙に外部へと押し広げられていく。

 そして岩盤が砕けると、星系の主たる恒星からの光が再びテレザートに差し込み始めた。その瞬間、美しい青い水の星―――伝説の惑星テレザートがその姿を見せた。

 テレザート解放作戦、完遂。

 しかし、まだ作戦は続いている。正確には、次の作戦が残っている、だ。―――テレザート降下作戦、である。

 この作戦、想定していより円滑に進んだ。

 というのも、だ。ガトランティスの航空基地があっても、宇宙戦艦ヤマトがあっさりと片付けたからである。三式弾で、だ。簡単だった。
 その後は残党であるガトランティスの攻撃機が〈ヤマト〉迎撃せんとするも、イスカンダル航海の経験者が多くいる航空隊に敗北。加藤隊長は勿論、航空隊の紅一点の山本玲といった猛者もいるのだ。敗北など、あり得ないというものである。

 脅威を排除した宇宙戦艦ヤマトは、高エネルギー反応を感知した聖地《テレザリアム》のある島嶼付近に停船。
 
 降下目標時点《テレザリアム》。
 島の地下に存在する、《テレザリアム》。その通路には戦闘用機械人形《ニードルスレイヴ》がいるも、空間騎兵隊の前にあえなく全滅。

 これを以って、惑星テレザートでの脅威は全て排除された。

 かくして、女神テレサに邂逅するため、宇宙戦艦ヤマトから4人の男が送り出された。古代艦長代理と、副長の真田、第七空間騎兵隊の隊長―――斎藤始、そしてガミラス大使館駐在武官―――クラウス・キーマン中尉が、地球連邦仕様の《ガミロイド》を護衛として連れて、聖地《テレザリアム》へ足を踏み入れた。

 



 ―――4号ことダークネス・ブリリアンスという女は、この時を待っていた。

 「〈ヤマト〉直上、ワープアウト反応!数は1!未確認艦、ワープアウトします!」

 瞬間、〈ヤマト〉の直上に、漆黒のヴェネター級が顕現した。 
 

 
後書き
さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧