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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その五十六

「やっぱりな」
「否定出来ないですね」
「国境の二度の戦闘はな」
「戦争は損害が出るものでもそうそうは」
「だから三割でな」
 それだけの損害でというのだ。
「もうな」
「相当なもので」
「全滅だよ」
 こう言っていいというのだ。
「本当にな」
「その扱いですね」
「それが七割とかな」
「目も当てられないですね」
「ああ、幾ら何でもな」 
 それこそというのだ。
「普通そこまで損害出すとか一方が相当強くてもう一方が滅茶苦茶弱くてボロクソにやられた場合だな」
「それも相当に一方的ですね」
「そうだよ、けれどな」
 それでもと言うのだった。
「アッディーン大統領は無能じゃないだろ」
「絶対に」
「それでシャイターン主席もな」
 敵の彼もというのだ。
「有能だろ」
「アッディーン大統領と同じく」
「こっちの大統領はライオンであっちの主席は豹だ」
「猛獣同士ですね」
「それだ、猛獣同士がぶつかったらな」
 その場合はというのだ。
「もうな」
「お互いに傷だらけになるってことですか」
「だから猛獣同士は争わないんだよ」
「そうなることがわかっているからですね」
「強い奴等がぶつかるとだよ」
 大尉は強い声で言った。
「もうな」
「お互い満身創痍ですね」
「俺達みたいになるんだ」
 オムダーマン軍とティムール軍の様にというのだ。
「なるんだよ」
「そういうことですね」
「ああ、そんな戦争滅多にないだろうな」
「実際にあるとは思えないですね」
「とてもな、けれどそうなったからな」
「この通りですね」
「そうさ、しかしな」
 ここで大尉は急にいぶかしむ顔になって少尉にさらに話した。
「そのティムール軍が一気にな」
「崩れましたね」
「そうなったな」
「思えば不思議ですね」
「そうだな、急に奇襲があってな」
「うちの軍なのはわかりますけれど」
「どの艦隊だろうな」
 一体、そうした言葉だった。
「一体」
「少なくとも俺達の艦隊じゃないですね」
「それは間違いないな」
「ええ、何も聞いていませんから」
「何もな」
「館長もそうみたいですし」
「驚いておられたからな、艦長」
 自分達の艦を統率する彼もというのだ。
「急に敵が奇襲受けてな」
「何が起こった、でしたね」
「それを見たらな」
「絶対に違うな」
「俺達の艦隊じゃないですね」
「艦長クラスになったらな」
「やっぱり知ってますよね」
「ああ、自分の所属する艦隊の行動は」
 それはというのだ。 
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