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ある白猫の生涯

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1-9

 それからは 俺はミナツちゃんの部屋で過ごすことが多くなったのだ。ミナツちゃんが学校から帰ってくるのを見て、一緒に家に入れてもらって、晩ご飯まで一緒に過ごす。その後、夜の見廻りに行って、ミナツちゃんの部屋に入れてもらって、少しミナツちゃんと一緒に寝て、明け方に外に出してもらうのだ。だけど、週に何回も、一緒にお風呂で洗われるのだけは苦手なのだけど、ミナツちゃんがちゃんと洗わなければ部屋に入っちゃぁダメっていうから仕方ない。

 そんな調子だから、この頃はミナツちゃんの言っていることが理解できるようになっていたのだ。それに・・・彼女が機嫌が良いのか悪いのかも・・・。

 ミナツちゃんが夏休みということで朝から家に居るようになって、お父さんが休みの日にお昼に庭で電気コンロを引っ張り出して、何かを焼きながらビールを飲むと言うことが多くなっていて、それに付き合うことも多くなっていた。不思議なことに、このシーンにはお母さんも男の子達も居ないのだ。だから、さぁーっと夕方前には終えるのだけれども。もちろん、俺も側に居て、おこぼれをもらうのだ。

「いゃぁー こーやって 好きなものをつまみに飲むのって 楽しみなんだよ ミナツはいつも付き合ってくれるし 最高の幸せだよ ミナツは彼氏は居ないんか?」

「うー ん 居るよ! ここに・・・」

「あっ それは・・・うれしいがなー」

「お父さん 勘違いしないでよねー 私の彼氏は この白い物体だから」

「はっ あー」

「勿論 お父さんのことも好きだよ 私の欲しい物があったら いつも 買ってくれるし・・・でも お父さんはお父さんだからー それに お母さんとバトルになるのもなぁー まずい」

「なんだよー 金づるなんかー それで、いつも 付き合ってくれてるのか?」

「そーいう訳ちゃうけど・・・ 独りでさー こんなことやってると 近所で変なウワサになっちゃー嫌じゃない? だから、お付き合いしてるの さみしい父親にしたくないの! ねぇ 岩もよね!」

『あっ アッ 俺は・・・おこぼれを・・・』

「それは それで いいんだけどー 男の子には興味ないんか? 告られるとかー」

「あー 無い! まわりの男はバカばっかーでさー 頭ん中はねー エッチすることしか考えてないものー」

「そうかー まぁ そんなもんだろうけど その年頃の男って まあ そーいうんなら安心だけど それはそれで心配だよ 年頃の女の子なんだからー 少しくらいは・・・」

「大丈夫だよ キッスはいつもしてるからー」

「へっ えぇー いつもって??? 誰とぉー」

「うん いつも岩と・・・岩は嫌がるけどね」

『そーなんだよ ミナツちゃんは いつも 俺の顔を押さえつけて唇をひっつけてくるんだよー やめてほしい』

「あぁー 岩とかぁー でも どんな病気もっているかわからんから よした方が良いよー 練習だったら お父さんが相手になるからー」

「どさくさに紛れて何言い出すのよーぉ 酔っぱらってるの? 私を変態親子の娘にしたいの?」

「そうかー やっぱり ダメかぁー あっ スルメは岩にはダメだ」

「えっ なんで? 欲しそうにしているよー」

「うん 昔からそーいうんだ 腰が抜けるとか こっちのフグの味醂干しなら大丈夫だ」

「あっ そう お父さんってさー いつも こーやって焼いているものって 干物とか魚介が多いよねー 肉はあんまりないね! しょぼい!」

「そーだな 肉ってよぉ いかにもバーベキューですって感じだろう? そんな風にご近所さんに見られたくないんだ  おっさんがしょぼいのがいいんだよねー」

「ふ~ん おっさんがねぇー そーいうのって 時間がゆっくりと流れているよーで いいなぁー プチ市民の贅沢だよねー 私は 好きだよ だから ここに居るんだよ!」 
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