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おぢばにおかえり

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第八十二話 三人でのひのきしんその二十一

「阿波野君が千里ちゃんをどう思ってるからはね」
「からかってきますから」
 私は眉を顰めさせて言いました。
「いつもいつも」
「それはどうしてかな」
「わからないです」
 私としてはです。
「小さいだの綺麗だの」
「綺麗って言われることはいいことだよ」
「そんなこと言われたことないですから」
 新一君以外にはです。
「小さいっていうのは気にしてますし」
「世の中小柄な人がいいっていう人もいるよ」
「それはないと思います」
 私としてはです。
「やっぱり大きい方がです」
「いいっていうんだね」
「私小さいですから余計に」
 一八〇近い主任先生に答えました、奥華の男の人は大きな人が多いです。そして新一君もその中にいます。
「思います」
「それが小さい方がね」
「いいって人もですか」
「そう、いてね」
 それでというのです。
「千里ちゃんも言われるんだよ」
「何がいいのか」
 私は思わず首を傾げてしまいました。
「わからないんですが」
「いやいや、それがだよ」
「小さい人がいいって人もですか」
「いてね」
 それでというのです。
「阿波野君も言うんだよ」
「そうですか」
「まあ千里ちゃんは嫌われていないから」 
 笑顔でのお言葉でした。
「彼からはね」
「あの子嫌うと凄いですからね」
 つくづく思うことです。 
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